研究課題/領域番号 |
06671003
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
平井 愛山 千葉大学, 医学部付属病院, 講師 (10189813)
|
研究分担者 |
寺野 隆 千葉大学, 医学部付属病院, 助手 (70237006)
田原 和夫 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (60241965)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 動脈硬化症 / マクロファージ / 変性LDL / スカベンジャー受容体 / 細胞内脂質転送蛋白 / SCP2 / コレステロール / 泡沫細胞形成 / sterol carrier protein 2(SCP_2) / 血管壁脂質沈着機構 / 動脈硬化症の成因 / 脱泡沫化 |
研究概要 |
1.ラットマクロファージ泡沫化過程におけるSCP2遺伝子発現増強機構の解析 (1)ラットおよびヒトのSCP2のcDNAの調整とSCP2蛋白の精製 ラットおよびヒトのSCP2の全長をコードする0.7kbのcDNAフラグメントをpolymerase chain reaction (PCR)にて調整した。このSCP2のcDNAをGSTとの融合蛋白として発現ベクターに組み込んで大腸菌で蛋白を発現させた。この産生された蛋白はSDS-PAGEで分析した結果、分子量13kDaであり、しかもラットSCP2の特異抗体で検出された。大腸菌より抽出後アフィニティーゲル中でトロンビンによりGSTより切断しカラムより溶出後さらに精製して、高純度のラットおよびヒトSCP2を得た。 (2)ラット腹腔マクロファージにおけるSCP2の遺伝子発現の調節機構の解析 ラット腹腔マクロファージが変性LDLを貪食して泡沫細胞化する過程でSCP2が増加する機構を解析するため、SCP2のcDNAをプローベとして用い、SCP2の蛋白量の変動に加えて、mRNAの変動を解析できるようにした。さらにSCP2の発現調節がどのような因子によって調節されているかを明らかにするため、まずスカベンジャー受容体に結合してこれを活性化するが細胞内コレステロール含量には全く影響を与えない非脂質性のスカベンジャー受容体のリガンドとしてmaleylated BSAをもちいる系を確立した。一方スカベンジャー受容体を介さずに細胞内に取り込まれコレステロール依存性の経路の発動をもたらすコレステロールの誘導体脂質として25-hydroxycholesterol (25-OH Chol)をもちいる系を確立した。 これらの実験系を駆使して解析を行った結果、ラット腹腔マクロファージでは変性LDLのスカベンジャー受容体への結合ではなく、変性LDLによる細胞内コレステロールの増加がSCP2の遺伝子発現を増強することがはじめて明らかになった。 2.ラット甲状腺培養細胞FRTL-5をもちいたSCP2遺伝子の発現調節機構の解析 ラット甲状腺培養細胞株であるFRTL-5細胞は米国のKohnらによって樹立された細胞株であり、甲状腺疾患の病因・病態の解明に広く用いられている。ところでFRTL-5細胞の特徴の一つに甲状腺の最も強力な増殖因子であるTSHの刺激に伴い、コレステロール生合成経路の活性化が起こることが既に明らかにされている。そこでTSH刺激によりコレステロール生合成経路が活性化される際、その転送蛋白であるSCP2どのように変動するかについて検討を加えたところ、TSH刺激に伴いSCP2が含量が著しく増加すること、およびTSH刺激によりcyclic AMP経路を介してSCP2の遺伝子発現が増強されることが明らかになった。
|