研究課題/領域番号 |
06671008
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
戸辺 一之 東京大学, 医学部(病), 助手 (30251242)
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研究分担者 |
鏑木 康志 東京大学, 医学部(病), 医員
為本 浩至 東京大学, 医学部(病), 医員
本田 律子 東京大学, 医学部(病), 医員
門脇 孝 東京大学, 医学部(病), 助手 (30185889)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | インスリン作用 / インスリン抵抗性 / ras / SH2蛋白質 / インスリン受容体 / チロシンキナーゼ / インスリン受容体基質 |
研究概要 |
(1)ASH/Grb2のインスリン作用における役割 我々は、インスリン受容体基質1(IRS-1)に結合するSH2/SH3蛋白としてAsh/Grb2蛋白質と見出したが、Ash/Grb2蛋白質はその2つのSH3領域を会してrasの活性化因子であるSosを結合する。我々は、Ash/Grb2のインスリン作用における役割を検討するため、インスリンにより形態変化がおこるRat1線維芽細胞にAsh/Grb2に対する抗体をマイクロインジェクトし、インスリンによる形態変化を抑制することを見出した。インスリンによるこの形態変化は30分で最大となり80分で元に戻る。抑制rasをマイクロインジェクトするとインスリンによるこの反応が止まることと、活性化rasをマイクロインジェクトするとインスリンによる形態変化によく似ていることからrasを介した作用と考えられる。これらのことから、Ash/Grb2はインスリン受容体キナーゼとrasの活性化をつなぐSH2/SH3蛋白質と考えられる。 (2)インスリン受容体基質-1欠損マウスの作製とIRS-2の同定 我々は、ホモロガスリコンビネーション法によりIRS-1を欠損したマウスを作製し、大きさが2/3になるという成長障害と軽度のインスリン抵抗性を呈した。我々はIRS-1を代替しうる基質があると考え、IRS-1欠損マウスの門脈よりインスリンを投与し、肝臓でのチロシンリン酸化を調べるとIRS-1より分子量が大きいpp190のチロシンリン酸化蛋白質が検出され、これはインスリン受容体基質2(IRS-2)と考えられる。さらに我々はIRS-2はフォスファチジルイノシトール3キナーゼ85kDaサブユニットとAsh/Grb2を結合することを見出し、PI3キナーゼもrasの活性化でもIRS-1を代替していると考えられる。
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