研究課題/領域番号 |
06671013
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小泉 順二 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (20161846)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | レムナント / コレステリルエステル転送蛋白 / コレステリルエステル転送蛋白欠損症 / 耐糖能障害 / 家族性複合型高脂血症 / 高インスリン血症 / 動脈硬化 / 糖尿病 |
研究概要 |
動脈硬化症の成因および進展にリポ蛋白代謝異常の重要性が指摘されている。今回は、我々が世界で初めて報告したCETP遺伝子異常をさらに検討し、新しいエキソン15のミスセンス変異を明らかにした。また、食後レムナント代謝異常が存在する糖尿病患者と家族性複合型高脂血症(FCHL)の関係の検討のために、家族調査により診断されたFCHLの耐糖能異常を検討した。CETP遺伝子異常の検討で、Int14Aのホモ接合体は15例、ヘテロ接合体は12例、D442Gのホモ接合体は4例、ヘテロ接合体は35例が明らかにされた。一般男性でのCETP遺伝子異常の頻度はInt14Aのヘテロが2%、D442Gのヘテロが7%と高頻度に認められ、CETP遺伝子異常が日本人のリポ蛋白代謝へ大きく影響を及ぼしていると考えられた。FCHLの頻度の検討では、49例中14例(29%)がFCHLであった。高脂血症を合併する糖尿病患者の50%がFCHLであった。さらに、FCHLでは耐糖能障害が多く認められ、75g0GTTによるIRI濃度時間曲線下面積(AUC-IRI)の平均は、FCHL群のN群とIGT群ではC群のN群とIGT群より有意に高値であった(p〈0.05)。さらに、FCHL群のN群とIGT群のAUC-IRI/AUC-血糖比は、C群のN群とIGT群より有意に高値であった(p〈0.05)。FCHLのN群のHDL-CはC群より有意に低値であり、IRI反応とIDL-C、HDL-C、TGとの関係では、FCHL群ではIDL-CとAUC-IRIとの間に有意な正相関が認められた(p〈0.05)。糖尿病患者の血清CETP活性は正常コントロールと有意差は認められなかった。以上より、高脂血症を伴う糖尿病患者ではFCHL合併が高頻度に示唆され、さらに、FCHLにおける高インスリン血症が明らかとなった。今後さらにレムナント代謝とCETPの関係を、動脈硬化を生じるリポ蛋白代謝異常の解明のために検討しなければならない。
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