研究課題/領域番号 |
06671025
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮川 潤一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (00127721)
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研究分担者 |
朝川 秀樹 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
佐々田 玲子 武田薬品株式会社, 医薬開拓研究本部・開拓第2研究所, 主任研究員
東山 繁樹 大阪大学, 医学部, 助手 (60202272)
中島 弘 大阪大学, 医学部, 助手 (50252680)
花房 俊昭 大阪大学, 医学部, 講師 (60164886)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 膵β細胞 / BTC(betacellulin) / HB-EGF(heparin-binding EGF-like growth factor) / 細胞増殖因子 |
研究概要 |
本研究では、絶対的あるいは相対的に膵β(インスリン分泌)細胞の減少をきたすヒトI型糖尿病(IDDM)あるいはII型糖尿病(NIDDM)に対し、膵β細胞の分化・増殖機構を利用することにより、膵β細胞の再生を促進するような治療法の可能性について検討を行っている。 近年発見された細胞増殖因子betacellulin(BTC)およびheparin-binding epidermal growth factorlike growth factor(HB-EGF)は、ともにEGF familyに属する細胞増殖因子であり、それぞれに対する特異的なreceptorは発見されていないが、両者ともEGF-receptorに結合し細胞内情報伝達を行うことが証明されている。これまでの私共の免疫組織学的手法を中心にした検討により、BTCおよびHB-EGFは、胎児膵組織の内分泌前駆細胞や正常ヒト膵島細胞の一部で産生が認められ、さらに両細胞増殖因子は、発現様式はやや異なるものの、ヒト膵島腫瘍(インスリノーマおよびグルカゴノーマ)および膵島細胞症(nesidioblastosis)の組織においても産生されていることを明らかにし、両細胞増殖因子が膵島細胞の分化、増殖機構に関与している可能性が強く示唆されることを報告(J.Japan Diab.Soc.37(suppl.1),315,1994)し、投稿中である。このような結果をもとに、正常ヒト膵組織およびヒトインスリノーマ組織に対し分子生物学的手法を用いて組織内mRNAの検出を行い、さらにin situ hybridizationにより組織内mRNA発現細胞の同定を試みている。また、ヒトインスリノーマ細胞およびインスリノーマ由来細胞株を用いたin vitroの実験系や、薬剤(alloxan)誘発による糖尿病状態の膵組織において、BTC、HB-EGF各分子の発現、産生を誘導する機序(転写因子や転写調節因子など)を解明するとともに、β細胞に対する両細胞増殖因子の発現、産生の影響を検討中である。さらに、本研究遂行中に、HB-EGFがヒト動脈硬化症発症過程に関与していることやヒト肝癌細胞の増殖に関与していることを発見したので報告した。
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