研究課題/領域番号 |
06671040
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森内 良三 長崎大学, 医学部, 講師 (60210142)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | インスリン依存性糖尿病 / glutamic acid decarboxylase / 自己免疫疾患 / ヒト膵臓ラ氏島β細胞 / cDNAライブラリー / GAD65 / レトロウイルスベクター / IP-Western法 / IDDM / 自己抗原 |
研究概要 |
(1)インスリン依存性糖尿病(IDDM)特異的自己抗体に認識される自己抗原をクローニングするために、ヒト膵臓ラ氏島β細胞由来のcDNAライブラリーを作製した。このライブラリーを用いて、ヒトGAD(glutamic acid decarboxylase)65及びGAD67をクローン化し、アッセイ系の確立を試みた。大腸菌と培養動物細胞(NIH3T3及びCHO)で蛋白を発現させ、ウエスタンブロック法によりアッセイしたが、いずれの場合も抗血清(ウサギ抗GAD抗体)とは強く反応するが、患者血清とはほとんど反応しなかった。すなわちIDDM患者血清は、抗血清とは異なり、GADのリニアエピトープではなく高次構造を認識すると考えられる。 そこで、GAD65を発現させたCHO細胞を可溶化し、患者血清で免疫沈降し、免疫沈降物を抗ヒトGAD65モノクローナル抗体(GAD-6)を一次抗体としたウエスタンブロットに供した。 この方法(IP-Western法)によりIDDM患者血清によって特異的に認識されるシグナルが検出できた。 このIP-Western法を、従来のIGA及びブタ脳精製GADを抗原とするアッセイ系と比較すると、高感度・高特異的(83.3%・100%)であり、IDDMの血清診断に有用であることが示され、現在診断に応用されている。 (2)IDDM患者血清で認識されるGAD以外の自己抗原をクローニングするために、IDDM患者血清を一次抗体として用いて、ヒト膵臓ラ氏島β細胞由来のcDNAライブラリー(λ gtll)をスクリーニングした。得られたクローンの全塩基配列を決定したが、既知の遺伝子とはホモロジーが無いことが判明した。大腸菌でこのリコンビナント蛋白を産出させ、これを抗原としてアッセイをしたが、IDDM患者血清では認識されなかった。恐らくGADの場合と同様に、蛋白の高次構造が、自己抗体による認識に必要であると考えた。
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