研究課題/領域番号 |
06671044
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
吉田 俊秀 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60079770)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | β_3-アドレナリン受容体m-RNA / 白色脂肪細胞 / 褐色脂肪細胞 / 肥満者 / 健常者 / ノーザンブロット法 / RT-PCR法 |
研究概要 |
ラットやマウスでの従来の成績から、β_3-アドレナリン受容体作動薬の主な標的細胞は褐色並びに白色脂肪細胞である事が知られている。そこでまず、ラットとマウスの褐色脂肪組織のβ_3受容体の検出を、ノーザンブロット法で試みた。即ち、β_1、β_2及びβ_3各受容体cDNAのヌクレオチド配列を参考にして、それぞれ約600、300及び310bpのcDNAプローブを作製し、総RNAについて分析した。しかし、β_1以外のシグナルについては極めて弱く100μgRNAでも検出できなかった。そこで次に、総RNAからmRNAのみを分離し10μgを分析したところ、三者とも検出でき、量的にはβ_1>>β_3=β_2であった。 次に、ヒトβ_3受容体を検討する為に、京都府立医科大学婦人科教室・第二外科教室・泌尿器科教室の協力のもと、術前に本研究の趣旨に納得して『摘出標本の一部を医学研究の為に提供する事に同意する』旨の同意書にサインしていただいた患者38名(BMI26.4以上の肥満者13名を含む)から、脂肪組織を術中摘出し液体窒素にて凍結保存した。これらより、mRNAを分離してノーザンブロット法を試みたが、全くシグナルが見られなかった。そこで、より感度の高いRT-PCRを試みた。すなわち、RNA1μgを逆転写酵素によりcDNAにした後、β_3受容体cDNAに特異的な二種類のプライマー(cgagatggctccgtggcctcac,cccaagggccaatggccagtcagcg)を用いてPCRを30サイクルかけた。PCR産物をアガロースゲル電気泳動したところ、予想された約310bpの位置に明確なバンドが認められた。このバンドは2名の肥満症例にて弱かったが、他の全てのサンプルで検出され、しかもマウスのサンプルとも同じであった。これらの結果は、ヒト脂肪組織にもβ_3受容体が存在する事を示しており、これに特異的な作動薬の有用性を示唆するものである。尚、定量的RT-PCR解析には適切な内部標準RNAの開発が必要であり今後の課題である。
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