研究課題/領域番号 |
06671054
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 慶応義塾大学 (1995) 東京慈恵会医科大学 (1994) |
研究代表者 |
野上 晴雄 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30119838)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 下垂体前葉 / 成長ホルモン / グルココルチコイド / mRNA / ラット / 胎生期 / 甲状腺ホルモン / 胎子 / 下垂体 |
研究概要 |
ラット胎仔下垂体における成長ホルモン(GH)産生細胞は胎生19日に免疫組織化学的に検出可能となる。しかし、GH細胞の分化の指標となると思われるGH遺伝子の転写調節因子pit-1の発現は胎生15日から認められることより、GH細胞への分化の決定後実際にGHを合成し始めるまでには数日を要することになる。この発達段階を経た幼若なGH細胞は、胎生18-19日にかけて起こる胎仔血中のコルチコステロンの濃度上昇に呼応してGH合成を開始することを我々はin vivoの実験で示した。本年度の研究では、このグルココルチコイドによるGH産生誘導をin vitroで再現することに成功し、その分子機構の解明を試みた。 胎生18日ラットの下垂体を細切し、血清を含まないMEMα液中で24時間培養した。培養終了後は子宮内時間の胎生19日に相当するが、この条件では組織中にGHmRNAは殆ど蓄積されなかった。しかしこのとき培養液中に50nMのDEXを添加しておくとGHmRNAの誘導が起こる。T3はやはり単独ではGH発現誘導作用は弱く、DEXと併用されたときのみにDEXの作用を相乗的に高める作用を示した。これはin vivoでの結果とよく一致しており、この実験系はin vivoで認められたグルココルチコイドによるGH産生誘導をin vitroで再現するものであると考えられる。また、in vivoで起こるDEXによるGH発現誘導がin vitroでも認められたということは、この反応におけるDEXの作用点は下垂体であり、母体からの液性因子や、胎盤機能さらには胎仔の視床下部の影響はDEXによるGHmRNA誘導には必須ではないことを示している。胎生18日下垂体ではDEX処理により胎生19日の正常下垂体を越す程度のGHmRNAが誘導されるのに対し胎生17日下垂体ではGHmRNA誘導は明らかに18日下垂体よりも低い。これは胎生17日にはDEXに反応しうる細胞の数が少ないためと考えられる。 次にDEXによる胎仔下垂体におけるGH発現誘導を時間経過を追って調べた。DEX添加培地中で胎生18日下垂体を培養しても5時間あるいは10時間後ではGHは誘導されないが、10時間DEXを作用させればその後は培地中にDEXが存在しなくてもGHmRNAの合成が起こる。この場合組織中に蓄積されるGHmRNA量は24時間DEXを作用させた場合とほぼ同程度であった。また、DEX添加培地中で胎生18日下垂体を培養する時に、培養液中にタンパク質合成阻害剤であるcycloheximideを添加するとDEXのGHmRNA誘導作用は完全に抑制された。これらの結果は、DEXによるGH発現誘導はDEXとGH遺伝子との直接的な相互作用によるものではなく、DEXにより下垂体中に誘導される何らかのタンパク質を介しているものと思われる。
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