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Major Basic Protein (MBP)と細胞障害機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06671069
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 血液内科学
研究機関筑波大学

研究代表者

阿部 師  筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80014215)

研究分担者 二宮 治彦  筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10198533)
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード好酸球 / major basic protein / 血管内皮細胞 / トロンボモジュリン / 好酸球増加症 / 骨髄移植 / 骨髄生着
研究概要

1.好酸球顆粒蛋白major basic protein (MBP)の血管内皮障害による血液凝固系への影響
血管内皮上に発現するトロンボモジュリン(TM)はトロンビン(IIa)と結合することによってproteinCの活性化を促進しVa,VIIIaを不活化する。この作用によって、TMは抗凝固的に機能する膜蛋白である。我々は、好酸球増加に伴って見られる凝固亢進病態におけるMBPの役割を検討した。好酸球由来のmature MBP(pI10.9)はTM(rabbit or human)に結合しそのcofactorとしての活性を阻害した。一方、MBPのproproteinであるpro-MBP(pI6.3)はTMへの結合能はなくTMのcofactor活性も阻害しなかった。このことからMBP-TMの結合は静電気的な結合によると考察された。好酸球増多症患者血清にはmature MBPが増加しており、この増加の程度に比例して患者血清はTMのcofactor activityを抑制した。以上の検討から、i)好酸球顆粒蛋白であるMBPは血管内皮に発現し生理的に重要な好凝固因子であるTMに対して静電気的に結合することによって血管内皮の果たす抗凝固的機能を阻害する、ii)この機序が好酸球増多症においてみられる凝固亢進状態の機序にとって重要な意義を有すると考察された。
2.MBP前駆蛋白,pro-MBPの産生と顆粒球系造血との関連
MBPの前駆蛋白は25-30kDの蛋白として顆粒球系の幼若細胞に発現するが、分化に伴って消失し、好酸球への分化時のみmature MBPが顆粒内に蓄積される。我々は、pro-MBPとmature MBPを測定することによって好酸球の増加病態と未熟な顆粒球系細胞の増殖の旺盛な状態とを識別できるのではないか、特に、pro-MBPの測定が骨髄移植の生着に伴う血清のマーカーとして有用ではないかと考え4例のallogeneic BMT患者の骨髄生着と血清pro-MBPの関連を検討した。すべての移植患者で末梢血において顆粒球が出現するよりも早く血清中にpro-MBPが増加し、骨髄における幼若顆粒球の増加と平行していることが明らかとなった。好酸球増多症では特異的にmature MBPが産生されており、pro-MBP,mature MBPの測定は2つの病態の解析にとって有用な手段となりうると考察された。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Mukai HY et al.: "Major basic protein binding to thrombomodulin contributes to the pathogenesis of thrombosis in patients with eosinophilia." British Journal of Haematology. (in press). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Mukai HY et al.: "Proprotein of eosinophil major basic protein increases in the serum prior to the emergence of neutrophils in peripheral blood after bone marrow transplantation" Bone Marrow Transplantation. (in press). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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