研究課題/領域番号 |
06671074
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡辺 俊樹 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30182934)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | L-selectin / HTLV-1 Tax / Transactivation / Ets family oncogene / PEA3 |
研究概要 |
本年度の研究計画では、LECAM-1(L-selectin)プロモーターのTax responsible elementの解析とそれに結合する転写因子の検討を行い、この転写因子の発現を正常リンパ球およびATL腫瘍細胞で解析する予定であった。しかし実際には、5′側からのdeletion seriesを用いたCATアッセイ法では、Tax responsive elementは同定出来なかった。その理由は、deletionの進行にともない反応性が連続的に変化したためであり、特定の領域が反応性を規定しているという結果は得られなかった。これは、複数の転写因子が関与していることを示唆する結果とも考えられる。 一方、我々が同定したL-selectinプロモーターの-885bp迄の塩基配列を検討すると、Ets family oncogeneのPEA3/E1A-FおよびPU.1の結合配列が各々7箇所と5箇所存在する。また、5′側からのdeletion seriesを用いたCATアッセイ法で、プロモーターのbasal activityを解析したところ、PEA3結合配列の数に依存することが示された。そこで、PEA3が実際にL-selectinのプロモーター活性を増強するかどうかを、札幌医大藤永教授より供与されたPEA3の発現ベクターpCMVE1A-Fとのco-transfection法によって解析した。その結果PEA3がL-selectinのプロモーターを有意に活性化することが示された。また、GST fusion proteinを用いたGel mobility shift assayとDNase I Foot printing法によりPEA3がこのプロモーターに存在する結合配列と特異的に結合すること、また、この結合能とプロモーターの活性化作用とが対応することをCAT assay法で明らかにした。以上の結果から、L-selecinのプロモーターは、PEA3により活性化されると結論した。 mouseからクローニングされたPEA3は、血液系の細胞では発現がみられないと報告されていたため、我々は、Northern blot法でPEA3の発現を解析し、多くのTおよびBリンパ球系と骨髄球系の培養細胞株で発現がみられることを確認し、L-selectinの発現調節に関与する可能性を明らかにした(Tatewaki et al.,submitted for publication)。
|