研究課題/領域番号 |
06671084
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
谷澤 昭彦 福井医科大学, 医学部附属病院, 助手 (50227229)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 白血病 / DNA障害 / 薬剤感受性試験 / PCR / 薬剤感受性 / ポリメラーゼチェーンリアクシヨン |
研究概要 |
白血病細胞株であるK562、HL60、KG1細胞を用いて、PCR法による抗癌剤etoposide(VP-16)、cisplatin(CDDP)、cytosine arabinoside(Ara-C)、4-hydroperoxycyclophosphamide(4HC)への薬剤感受性について検討を加えた。CDDPの短時間(4時間)処理細胞から抽出したDNAを用いて増幅を行うと、無処理の場合に比べPCR生成物の減少を認めた。その変化は形態的にapoptosisをおこすHL60とKG1細胞だけでなく、認めないK562細胞にても観察され、細胞死によるDNAの断片化ではなく薬剤によるDNA障害を直接に反映しているものと考えられる。一方、VP-16、Ara-C、4HCでは臨床で得られるような血中濃度短時間処理ではDNA障害をPCR生成物の量的変化として検出するには困難があった。薬剤処理を長くすることにより直接のDNA障害より細胞の増殖(細胞死)の変化をPCR生成物の量的変化としてとらえられるか検討した。3日間薬剤処理後のWST-1試薬によるテトラゾリウム還元反応と、3日間薬剤処理後のPCR法の結果を比較すると感受性は同じ傾向を示すことが判明した。in vitroの薬剤感受性は臨床の治療結果と必ずしも一致しないことが報告されているが、培養の期間や条件などの測定系そのものの問題と、実際の臨床では多剤による治療が行われていることとの差がでるものと考えられる。PCR生成物の量的変化で同一薬剤に対する反応を初診時、経過中と比較検討することは可能であろう。最近白血病細胞が生体内でapoptosisを介して死に至ることを示す報告も出てきており、直接的な薬剤によるDNA障害量を測定するよりも薬剤処理後の細胞数の変化を検出する観点にたてば、多くの薬剤について十分応用可能であると考えられる。
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