研究課題/領域番号 |
06671093
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金倉 譲 大阪大学, 医学部, 助手 (20177489)
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研究分担者 |
池田 弘和 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | C-kit / Stem cell factor / チロシンキナーゼ / 活性化変異 / 造血幹細胞 / フィブロネクチン / インテグリン / アポトーシス |
研究概要 |
造血幹細胞のストローマ細胞依存性増殖には、c-iktレセプターチロシンキナーゼ(KIT)とstem cell factor(SCF)の相互作用が重要な役割を担っている。我々は、ヒト、ラット、マウス由来の3種の腫瘍性マスト細胞株(HMC-1、RBL-2H3、P-815)ではc-kit遺伝子に活性化点突然変異が存在し、KITが恒常的に活性化されていることを明らかにした(HMC-1のc-kit活性化点突然変異は、Val^<560>→Gly(jaxtamembrane領域)とAsp^<816>→Val(キナーゼ領域);RBL-2H3ではAsp^<817>→Tyr;P-815ではAsp^<814>→Tyr_0尚、ヒトG560とV816はマウスG559とV814、ラットY817はマウスY814に対応する)。これらのマウス変異c-kit遺伝子(c-kit^<G550>とc-kit^<V814>)をマウスIL-3依存性細胞株(Ba/F3とFDC-P1細胞)へ遺伝子導入すると、これらの細胞株はIL-3非依存性細胞を示しヌードマウスに腫瘍を形成した。これらの知見しc-kitの恒常的活性化が造血幹細胞の造血因子非依存性増殖と腫瘍化に関与している可能性を示唆している。 一方、細胞外マトリックス分子(フィブロネクチンなど)の造血調節機構についても検討した。GM-CSFやSCF依存性に増殖するM07E細胞をフィブロネクチンで処理すると、M07E細胞の造血因子依存性増殖が抑制された。フィブロネクチンはこれらの造血因子の受容体への結合を阻害することなく、インテグリンVLA5を介してM07E細胞のアポトーシスを誘導し細胞増殖を抑制した。また、各種白血病細胞株においてもVLA4^+VLA5^+細胞株ではアポトーシスや増殖抑制が認められたのに対し、VLA4^+VLA5^-細胞株では上記作用は認められず軽度の増殖刺激作用が認められた。これらの結果は、生体内に広範に存在するフィブロネクチンがVLA5を介して造血幹(前駆)細胞の増殖を負に制御している可能性を示唆している。
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