研究課題/領域番号 |
06671094
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
富山 佳昭 大阪大学, 医学部, 助手 (80252667)
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研究分担者 |
柏木 浩和 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
金倉 譲 大阪大学, 医学部, 助手 (20177489)
倉田 義之 大阪大学, 医学部・附属病院, 講師 (80127224)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | αIIbβ_3 / 血小板無力症 / インテグリン / 分子生物学 |
研究概要 |
本研究では、血小板無力症を分子生物学的に解析することによりαIIbβ3の機能発現過程および生合成過程を明らかにすることを目的とした。αIIbβ3の機能異常が示唆されたvariant症例においては、種々のモノクローナル抗体を用いて解析した結果、αIIbβ3の機能部位は正常であるが、その活性化型への移行が障害されていることが強く示唆された。そこでαIIbβ3の全塩基配列を決定したが、機能部位のみならず細胞内ドメインにも異常を認めなかった。以上の成績より、本症例ではαIIbβ3を活性化させる共通のinside-outのシグナルそのものに異常が存在すると考えられた。一方、イムノブロット法にてβ3が正常の15%存在するもののαIIbの量が正常の2%以下に著減していた症例については、RTPCRにてαIIbcDNAを解析した結果、患者では約100bpの欠失が示唆された。Sequenceの結果75bpがin-frameで欠失しており、その部位はexon17の3′部分に相当していた。 GenomicDNAの解析では、患者ではexon17のsplice donor sequenceの-3の位置のCがTに変異しているためArg(CGA)→Stop(TGA)となるnonsence mutationが存在していた。このnonsense mutationによりsplice異常が生じたと考えられた。さらにαIIbmRNA量を半定量した結果、患者ではαIIbmRNA量が著減しており、上記のnonsense mutationが原因と考えられた。以上のように、本研究では血小板無力症症例の解析により、αIIbβ3の活性化機構や生合成過程の一部を明らかにしえた。特に、variant症例に見られたシグナル異常を有する症例の報告は初めてであり、さらなる解析が必要であると考えられた。
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