研究課題/領域番号 |
06671106
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
北川 誠一 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50133278)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | G-CSF / GM-CSF / IL-3 / SCF / vav / c-fes / MAPキナーゼ / 急性骨髄性白血病 |
研究概要 |
18例の急性骨髄性白血病(AML)患者から採取した白血病芽球を用いて、G-CSF、GM-CSF、TNF、M-CSF、IL-3、SCF及びPMA刺激により誘導される細胞内蛋白のチロシンリン酸化を比較解析した。全ての症例において、芽球はいずれかのサイトカインまたはPMAに反応して細胞内蛋白のチロシンリン酸化が認められた。AML亜型に特徴的なリン酸化パターンは認められなかった。しかし、それぞれのサイトカインに特徴的なリン酸化パターンが認められた。G-CSF、GM-CSF、TNF、M-CSF、IL-3、SCF及びPMA刺激によるリン酸化はそれぞれ14、17、15、9、17、14及び18例で認められた。GM-CSFとIL-3はp92、p80、p70及びp42のリン酸化を誘導した。G-CSFはこれらの蛋白に加えて、p95を特異的にリン酸化した。SCFはp140-200、p110、P95、P60、P55及びP42をリン酸化した。M-CSFはp140-200、p110及びp42をリン酸化した。TNFとPMAはp42のみをリン酸化した。TNFによりリン酸化されるp42はMAPキナーゼであることが判明した。GM-CSFまたはIL-3によりリン酸化されるp92は一部の症例でc-fesであることが判明した。G-CSFまたはSCFによりリン酸化されるp95は検索した全ての症例(5例)においてvavであることが判明した。p92、p95及びp42のリン酸化の間には有意の相関は認められなかった。これらの結果は、AML患者の芽球においては、それぞれのサイトカインがp92(c-fes)、p95(vav)、p42(MAPキナーゼ)を含む独立した細胞内刺激伝達経路を介して細胞を活性化していることを示しており、G-CSF受容体を介する刺激伝達系においてはvav遺伝子産物が特異的に関与していることを示している。
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