研究課題/領域番号 |
06671131
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野島 美久 東京大学, 医学部(病), 助手 (90201699)
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研究分担者 |
森野 憲胤 東京大学, 医学部(病), 医員
三村 俊英 東京大学, 医学部(病), 助手 (30260491)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 細胞外マトリクス / 細胞接着 / インテグリン / メサンジウム細胞 / MAPキナーゼ / 接着斑キナーゼ / ループス腎炎 |
研究概要 |
多くの進行性糸球体腎炎の共通病理組織像は、細胞外マトリクス(ECM)の過剰沈着とそれに引き続く糸球体の硬化であろう.これらのECMは糸球体細胞から分泌される一方、その細胞表面受容体であるインテグリンを介して糸球体細胞に働きかけ、糸球体炎の持続や硬化の進展にさらに寄与することが予想される.近年、インテグリンを介したECMの細胞接着により様々な情報伝達経路が活性化されることが明らかにされつつある.そこで本研究では、インテグリンを介した細胞接着の情報伝達機構を培養細胞を用いたin vitroの系で解析するとともに、腎炎糸球体においてこれらの情報伝達経路がいかなる動態にあるかを、腎炎モデル動物を用いたin vivoの系で解析し、腎炎の進行における細胞接着依存性の情報伝達機構の関与とその意義を明らかにすることを目的とした.その結果,本年度では以下のことを明らかにし得た.即ち、1)培養メサンジウム細胞や線維芽細胞のECMへの接着によりMAPキナーゼの活性化が誘導されること(J Biol Chem 1995;270;269-273)、及び、2)ループス腎炎を自然発症する1prマウスの腎糸球体では、接着斑キナーゼpp125FAK(FAK)の発現とそのチロシンリン酸化がコントロールマウスに比較して著しく亢進していること(1994年、日本臨床免疫学会総会にて発表)、が明らかにされた.MAPキナーゼは接着依存性の情報伝達系でFAKの下流に位置すると考えられ、細胞の増殖や分化に重要な役割を果すセリンスレオニンキナーゼである.従って、1prマウスの糸球体に認められたFAKの活性化は、その下流の情報伝達経路を介して、糸球体細胞の増殖や形質転換へと結びつき、ループス腎炎の進展に寄与していることが予想された.
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