研究課題/領域番号 |
06671132
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平田 恭信 東京大学, 医学部(病), 助手 (70167609)
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研究分担者 |
早川 宏 東京大学, 医学部(病), 医員
木村 健二郎 東京大学, 医学部(病), 講師 (00161555)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | nitric oxide / kidney / venal failure / chemiluminescence |
研究概要 |
【目的】高血圧症では内皮依存性血管拡張が障害されている。この反応はもっぱらアセチルコリンでしらべられているが、実際に血管緊張に寄与している可能性のある内因性血管作動物質による内皮機能への影響は知られていない。そこでDOCA-食塩高血圧ラットの腎血管床を用いて血管拡張あるいは収縮ペプチドであるadrenomedullin(AM)、vasopressin(AVP)およびendothelin(ET)のNO遊離効果を調べた。【方法】DOCA-食塩高血圧ラットの腎臓を単離潅流し、化学発光法により潅流液中のNO濃度と腎潅流圧(RPP)を同時に測定した。ついで(1)AM、(2)AVP、V_1拮抗薬、V_2拮抗薬ならびに(3)ET-1、ET-3、ET_A受容体拮抗薬(BQ-123)、ET_B受容体刺激薬(BQ-3020)の作用を検討した。またET受容体のmRNAも測定した。【結果】(1)AMは用量依存性にRPPを低下させ、NOを遊離した。このNOの増加はL-NMMAにより消失した。AMによる腎血管拡張はDOCA-食塩高血圧ラットで対照ラットより小さく、同時にNO遊離量も著減していた。(2)AVPはRPPの上昇と共にNO遊離も増加させた。このNOの増加はV_1拮抗薬で抑制されたが、V_2拮抗薬では影響されなかった。AVPによるNOの遊離はDOCA-食塩高血圧ラットで減少していた。(3)ET-1およびET-3はNOを増加させた。BQ-123の前投与によりET-1による血管収縮作用は消失し、NOの遊離は増加した。一方、BQ-3020は対照ラットでは灌流圧の低下とNOの遊離増加をきたしたが、DOCA-食塩ラットにおいてはNOの遊離の増加は少なく、灌流圧は逆に増加した。ET_B mRNAはDOCA群で有意に低値を示したが、ET_A mRNAには差が無かった。【結語】AMの血管拡張作用は一部、内皮依存性であり、またAVPおよびETのNO遊離作用はそれぞれV_1、ET_B受容体を介する。DOCA-食塩高血圧ラットではこれらアゴニストによるNO遊離がおそらくは受容体レベルでの変化により一様に低下しており、それが高血圧の維持に寄与している可能性が考えられる。
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