研究分担者 |
森井 浩世 大阪市立大学, 医学部, 教授 (40046983)
川岸 隆彦 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60224739)
庄司 繁市 大阪市立大学, 医学部, 助手 (50162748)
稲葉 雅章 大阪市立大学, 医学部, 講師 (00176405)
西沢 良記 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (00128745)
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研究概要 |
【背景・目的】糖尿病発症早期よりの尿細管機能異常の存在が知られている。本研究ではインスリン非依存性糖尿病ラット(GK rats)と近位尿細管培養細胞(OK cells)を用いて、燐代謝異常、PTHやvitamin D代謝・反応異常をin vivo,in vitroに分子生物学的に研究し、さらに初期糖尿病性腎症の代謝異常の関連研究をすすめる。【結果】1.OK cellsにおけるvitamin D receptor(VDR),24-hydroxylase遺伝子の発現.RT-PCR法、Northern blotting法により、OK cellsにVdr,24-hydroxylase遺伝子発現が存在すること、1,25dihydroxy-vitamin D(1,25D)により24-hydroxylase遺伝子発現増加が見られた。(Eiji Ishimura,et al.FEBS lett337,48-51,1994.)。2.GK rat尿細管における燐代謝異常.副甲状腺摘出術状態で0〜40mMの燐液持続注入で、GK ratではWkister ratより尿中燐排泄が高値であり、1-34hPTH(2.5U/hour)持続投与で、GK ratでは尿中cyclic APM・燐排泄が有意に亢進していた。(Eiji Ishimura,et al.Diabetes Res23:153-160,1993.)。3.GK ratのvitamin D代謝・反応性の異常.GK ratではWistar ratに比べ、血中の1,25D濃度が有意に低値、24,25D濃度が有意に高値であり、1,25D投与にて24-hydroxylase遺伝子発現が有意に亢進していた。(Eiji Ishimura,et al.Miner Electrolyte Metab 21:205-210,1995)。4.OK cellsの反応性に対する高糖濃度の影響.OK cellsを高糖濃度(50mM)と正常糖濃度(5mM)下で培養し、1-34hPTHで刺激したところ、15分後の培養液中のcAMP濃度は高糖濃度下で有意な高値を示した。1,25D刺激ではVDR,24-hydroxylase遺伝子の発現の変化に変化はなかった。5.関連研究の発展・展開。高糖濃度が骨芽細胞のosteocalcin蛋白産生低と遺伝子発現低下、VDR数低下をもたらした(M Inaba et al.J Bone Miner Res 10:1050-1056,1995.)。ヒトでhyperinsulinemic englycemic clamp法にて、糖尿病腎不全ではインスリンに対する燐排泄反応が低下していることを見い出た(Eiji Ishimura,et al.Motabolism 1996(in press))。
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