研究課題/領域番号 |
06671185
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
江里口 正純 東京大学, 医科学研究所, 講師 (10114406)
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研究分担者 |
藤井 祐三 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40143515)
成内 秀雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012741)
木村 哲 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60010352)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | HIV感染者 / 外科手術 / 手術適応基準 / 創傷治癒 / MAIDS / 線維芽細胞 / 創傷治癒能 / MAIDSマウス / 引張力 / 抗張力 |
研究概要 |
本研究ではHIV感染者のMontanerステージ分類案にしたがって、Major Surgeryに対する手術適応基準を作成し、その妥当性を基礎的、臨床的に検討した。ステージIでは一般の手術適応と同じ、ステージIIでは一般の手術適応に加えてHIVに関連した病態を考慮して決める、ステージIIIでは根治手術を考えるが対症的姑息手術になる可能性もある、ステージIVでは対症的姑息手術の適応のみである。実験的には、AIDSの動物モデルとしてB6マウスを用いてMAIDSを作成した。このMAIDSを用いて頚部背側皮膚を切開した後、縫合し10日目に創部を引張したところコントロールマウスの1/8の張力で断裂、創傷治癒能の低下が見られた。HIV感染者の線維芽細胞の培養のためステージIII、IVの皮膚小片を培養したが、cell lineの確立は出来なかった。非HIV感染者の線維芽細胞を培養したが、HIVを感染させることは出来なかった。非HIV感染者の線維芽細胞を用いてIL-2、IL-4の細胞増殖に及ぼす影響をみたが、IL-2優位、IL-4優位による変化は見られなかった。HIV感染者、非感染者の末梢血の単球を培養し、その上清を培養線維芽細胞に加えて細胞増殖能を検討したが差はみられなかった。臨床的には、鼠径ヘルニア根治手術を受けた3症例(ステージIV:3例)と開腹術を受けた5症例(ステージIII:1例、ステージIV:4例)について検討した。いずれの症例も皮膚の創傷治癒に2〜4週間を要したがケロイドの形成は見られなかった。CD4陽性細胞は100個/μI以下であっても全身状態の管理ができれば創傷は治癒することがわかった。本研究で、HIV感染者の外科手術における創傷治癒の遅延の原因解明にはいたらなかったが、我々の提唱したHIV感染者に対する手術適応基準の中でステージIII、IVについては、対症状的姑息手術ではなく、根治手術を行いうることがわかった。
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