研究課題/領域番号 |
06671189
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
田澤 賢次 (田沢 賢次) 富山医科薬科大学, 医学部・看護学, 教授 (80018887)
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研究分担者 |
山本 克弥 富山医科薬科大学, 医学部・第2外科, 助手 (50270947)
前田 正敏 富山医科薬科大学, 基礎放射線医学, 教務職員 (30143861)
本田 昴 富山医科薬科大学, 基礎放射線医学, 教授 (40019914)
勝山 新弥 富山医科薬科大学, 医学部・第2外科, 助手 (70242493)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | アップルペクチン / 大腸癌発生抑制 / AOM / 胆汁酸 / 腸肝循環動態 / 食物繊維 / AH60C担癌ラット / AH6θC担癌ラット / 大腸癌発生 / 胆汁酸代謝 / 腸肝循環 / アゾキシメタン / シトラスペクチン |
研究概要 |
腸内細菌叢に影響を与えるアップルペクチンによる大腸癌発生予防のメカニズムが、いわゆる病原菌といわれる腸内細菌叢にたいして強い静菌作用を有し、また腸管内pHを弱酸性に変化させ、腸内酵素活性(β-グルクロニダーゼなど)の減少を来すことによることを、第53回日本癌学会総会(1994.10,名古屋)において明らかにした。 平成7年度においては、便中胆汁濃度および胆汁酸代謝の観点から検討し次ぎの結果を得た。AOM投与開始24週後の便中胆汁酸濃度は、対象群に対してアップルペクチン群では総胆汁酸量の減少傾向が見られ、特に一次胆汁酸量が有意に減少していた。また、一次胆汁酸であるcholic acidの代謝を、その^<14>C標識体を用いて尿、糞便への排泄量を検討した。アップルペクチン群では、24時間での尿、糞便への排泄は減少し、48時間でも血中放射能濃度が高く、肝や、腎に多く集積していた。つまり、cholic acidの腸肝循環の割合がより多いものと推察された。 今回の検討では、アップルペクチン投与時には胆汁酸の腸肝循環の割合が増え、便中への排泄が減少することが示唆され、さらに糞便中の一次胆汁酸濃度が減少することが見られたために、このような現象が大腸発癌を抑制した一要因として考えられた。今後は各種の胆汁酸代謝においても同様なのか検討する必要があろう。これらについては第7回日本消化器癌発生研究会(1995.9、大分)において発表した。 一方、食物繊維は消化管上皮の成長と機能維持にも深く関与し、腸管免疫改善にも、特に加水繊維ペクチンが大切なことが近年判明しつつある。私共もアップルペクチン投与時に腸管粘膜や門脈血内プロスタングランヂンE_2値が低値を示し、AH60Cラット肝転移モデルの転移を高率にアップルペクチンが抑制することを第54回日本癌学会総会(1995.10)において世界で初めて報告することができた。このような食物繊維による癌転移抑制が腸管免疫増強に深く関わっており、かかるメカニズムを明らかにすることは癌自然治癒メカニズムや癌手術後の癌再発問題解決に大きく貢献するものと確信する。
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