研究課題/領域番号 |
06671263
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宮地 正彦 名古屋大学, 医学部, 助手 (80242874)
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研究分担者 |
梛野 正人 名古屋大学, 医学部, 講師 (20237564)
神谷 順一 名古屋大学, 医学部, 講師 (70194975)
二村 雄次 名古屋大学, 医学部, 教授 (80126888)
近藤 哲 名古屋大学, 医学部, 講師 (30215454)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 虚血再潅流障害 / 小腸血流 / bacterial translocation / 手術 / nitric oxide / L-NAME / エンドトキシン / 多臓器不全 / 小腸粘膜障害 / Bacterial translocation / 食道切除術 / 小腸虚血再灌流障害 / 小腸虚血再灌流 / 小腸組織血流 / xanthine oxidase活性 |
研究概要 |
1)犬において前腸間膜動脈血流、肝動脈血流及び門脈血流を電磁血流計を用い、意識下において測定するモデルを作成し、カテコラミンのそれらに及ぼす影響について検討した。カテコラミンのα、β作用により血流量が変化し、前腸間膜動脈血流と門脈血流は同様の変化を示した。 2)ラットの肝細胞、Kupffer細胞をともに培養し、Kupffer細胞により肝細胞障害の機序について検討した。サイトカインを培養液に投与することで、Kupffer細胞は活性化され、肝細胞に対して障害性を発揮した。 3)犬を用いた全身麻酔下での小腸虚血再潅流実験モデルでは、腸間膜動脈を5分間クランプし、その後解除し、電磁血流計で腸間膜動脈血流を測定した。再潅流時に腸間膜動脈血流は虚血前の血流より増加し、その後、虚血前の血流に復した。nitric oxide合成酵素の特異的blockerであるL-NAME10mg/kgを静脈内前投与することで血流の増加は認められなかった。 4)臨床例での検討では、胸部食道癌8例に対しての開腹、開胸による食道亜全摘術、胃管での食道再建術中に門脈血中および末梢血中のエンドトキシン濃度を測定した。血中エンドトキシン濃度は開腹時よりその後に行われた開胸操作終了時に増加した。 5)胸部食道癌14例に対しての開腹、開胸による食道亜全摘術、胃管での食道再建術中に小腸血流をlaser doppler血流計を用い連続的に測定した。7例では下縦隔のリンパ節郭清を胸腔内で行い、このためこの間心臓は牽引圧迫された(胸腔群)。他の7例は下縦隔のリンパ節郭清を腹腔内で行ったため心臓は圧迫されなかった(腹腔群)。胸腔群では胸腔内操作時に腹腔操作時より小腸血流が有意に減少した。しかし腹腔群では胸腔内操作時の小腸血流の低下は胸腔群より有意に少なかった。術後38度以上の有熱期間は腹腔群で2.6±0.8日と胸腔群の3.2±1.4日より短く、また肺炎、高ビリルビン血症の発生頻度は胸腔群より腹腔群で低かった。 以上から侵襲の大きな手術中には小腸血流が低下し、それに伴いbacterial translocationが惹起され、SIRSそれに引き続きMOFが生じる可能性が示唆された。手術中に小腸血流を低下させないように工夫することで術後のSIRSの発生を減少させることができた。
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