研究課題/領域番号 |
06671267
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大塩 学而 京都大学, 医学研究科, 助手 (80131100)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 急性膵炎 / カルシウム / 腺房細胞 / CCK / アミラーゼ / リパーゼ / 膀管閉塞 / CDE / 膵管閉塞 / 膵液 / 膵頭十二指腸切除術 / プロテインキナーゼC |
研究概要 |
急性膵炎の発症には消化酵素の分泌障害が引き金になっている事が考えられており、さらに高カルシウム血症、CCKなどの分泌刺激も膵炎発症、重症化に関与している事が明かになってきている。CCKなどの分泌刺激は膜に存在するCCKreceptorと結合し、IP_3などに伝達され、さらに細胞内遊離カルシウム濃度を上昇させ分泌刺激を伝達する。今回、細胞内遊離カルシウムなどの細胞内刺激伝達系が急性膵炎hの発症に関与しているか、さらにどのような機序で関与しているのかを検討した。 急性膵炎においては外分泌機能の障害が先行し、これを誘因として発病する可能性が高い事がこれまでに明らかに成りつつある。動物実験モデルとしては、セルレイン膵炎、CDE膵炎などにおいてこのような機序が明かにされてきた。 今回の研究において、膵管閉塞モデルにおいても他のモデルと同様に分泌障害が起こっている事明かにした。さらに人においても動物と同様に閉塞により膵外分泌障害を受ける事を明らかにした。 急性膵炎モデルにおける細胞内遊離カルシウムにおける検討では、モデルによりCCKなどの刺激に対するカルシウムの反応は異なっている。CDE膵炎では、細胞内細胞カルシウム動態の変化は比較的小さいが、セルレイン膵炎では、CCKreceptorの減少にともないカルシウム反応の低下がみられた。膵管閉塞モデルにおいても、外分泌障害は主に細胞内カルシウム上昇以後の過程における障害が中心である事が明かとなった。 これらの結果から急性膵炎の原因により細胞内刺激伝達の膵炎発症に対する役割は異なるが、ヒトの膵炎発症の原因と内最も頻度の高いものとして考えられている膵管閉塞における膵腺房細胞内の病態が明かになり、膵炎発症における膵腺房細胞内の変化の重要性が示唆された。
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