研究課題/領域番号 |
06671271
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
梅下 浩司 大阪大学, 医学部, 助手 (60252649)
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研究分担者 |
永野 浩昭 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
金井 俊雄 大阪大学, 医学部, 助手 (50205051)
後藤 満一 大阪大学, 医学部, 助教授 (50162160)
門田 守人 大阪大学, 医学部, 教授 (00127309)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 肝虚血再潅流傷害 / 培養肝細胞 / oxidative stres / superoxide / 細胞内カルシウム / 細胞質プロテアーゼ / 細胞骨格 / actin binding protein |
研究概要 |
肝細胞の虚血再灌流傷害の機序を、2つのモデルを用いて検討した。 1.ラット初代培養肝細胞にsuperoxideを負荷する系では、約15分後に細胞表面のsmall blebとほぼ時を同じくして、細胞質カルシウム濃度が上昇し始めた。30分後には700nMに達し、この頃large blebが形成され、LDHの遊離が始まった。細胞質プロテアーゼcalpainにspecificな阻害剤calpeptinを添加すると、superoxideによる細胞質カルシウムの上昇は抑えられなかったが、blebの形成やLDHの遊離が有意に抑制された。 ラット初代培養肝細胞にtert-butylhydroperoxideを負荷する系では、25分後にblebが発生した。細胞膜の裏打ちをしているF-actinはblebの直下でも構造が保たれていることが、透過電顕およびrhodamin-phalloidinを用いたF-actin染色で確認された。また、bleb発生と同時に、Actin binding proteinのうちtalin、α-actininの減少が認められた。Blebの発生とactin binding proteinの減少は、細胞外カルシウムの除去、或いはcalpeptinの添加により抑えられた。 以上の結果より、肝細胞にoxidative stressを負荷すると、カルシウムが細胞外から流入しcalpainが活性化され、その結果actin binding proteinが分解されblebを形成し、細胞死に至るmechanismが考えられた。細胞質プロテアーゼの制御により、細胞傷害が抑制されることが示された。現在calpainの活性の変化を測定中であり、その結果を踏まえて細胞障害の更なる抑制を目指したい。
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