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新しく開発した除放性制癌剤の化学基栓療法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06671278
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 消化器外科学
研究機関島根医科大学

研究代表者

安部 俊一 (安倍 俊一) (1995)  島根医科大学, 医学部, 助手 (70192995)

中村 輝久 (1994)  島根医科大学, 医学部, 教授 (10038656)

研究分担者 植本 直樹  島根医科大学, 医学部, 医員
橋本 直樹  島根医科大学, 医学部, 医員
田原 英樹  島根医科大学, 医学部, 助手 (90252931)
研究期間 (年度) 1993 – 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードプラキチン / 化学塞栓療法 / 肝動注 / 腹腔内投与
研究概要

制癌剤cisplatinと生体材料キチンを合体させてcisplatinの徐放性を持たせた新しい体内埋め混み型制癌剤Plachitinの研究において以下の様な知見が得られた。まず家兎の下腿にVX2癌を移植し,大腿動脈よりPlachitin(直径約50ミクロン,1gm当たりcisplatin300mg)を投与した.腫瘍増殖曲線では,cisplatinのみ投与群,キチンのみ投与群,無治療群の総てに対しPlachitin投与群で有意に抑制効果がみられた.また腫瘍の退縮はPlachitin群のみで認められた.腫瘍内のプラチナ濃度は5日間にわたり血清濃度を上回った.以上よりPlachitin動脈内投与の抗腫瘍効果は,寒栓効果に加え,腫瘍内で暖除にcisplatinが放出された結果であると推定された.以上の結果に基づき,臨床例でのPlachitin抗腫瘍効果をみた.肝腫瘍を有する患者に対し肝動脈よりPlachitin1gm(cisplatin300mg)を1ク-ルとして投与した.多発性原発性肝臓癌の症例1においては2ク-ル投与で39%の腫瘍縮小とalpha-fetoprotein値の1,182ng/mlから300ng/mlへの低下をみた.胆菅癌の症例2では3ク-ルの投与で84.4%の腫瘍縮小を,結腸癌肝転移の症例3では1ク-ルの投与後77%の腫瘍縮小をみた.全例での奏効率は66.7%であった.副作用として心窩部痛,悪心,発熱,肝酵素の上昇がみられたが,いずれも一過性であった.Plachitinの肝臓癌に対する化学寒栓療法剤としての有用性が示されたと考えられた.さらにPlachitinの腹腔内投与における安全性をみるため,腹膜播腫瘍性の消化器癌11例に対し同剤を投与した.Plachitin投与群では血清cisplatin濃度は低値で推移し副作用も特に認めなかった.以上より,動物実験,臨床試験のいずれにおいてもPlachitinの抗腫瘍効果と安全性が認められた.今後第3相試験により既存の制癌剤治療との比較を行うことが可能と考えられる.

報告書

(3件)
  • 1995 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] 田原英樹: "除放性抗癌剤「Plachitin」による動注化学療法に関する研究" 癌と化学療法. 20. 1582-1585 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 中村輝久: "除放性局所制癌剤プラキチンの研究" 外科治療. 71. 356-357 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田原英樹: "肝癌に対する除放性抗癌剤Plachitinの動注化学塞栓療法" 癌と化学療法. 21. 2225-2228 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田原英樹: "除放性抗癌剤Plachitinの腹腔内投与時の薬剤動態" 癌と化学療法. 22. 1473-1476 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hideki Tabara: "A NEW TRIAL OF PLACHITIN PARTICLES FOR INTRAARTERIAL CHEMOEMBOLIZATION THERAPY IN RABBIT" Jpn J Cancer Chemother. 20(11). 1852-1585 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Teruhisa Nakamura: "DEVICE OF A SLOW RELEASING ANTICANCER DRUG PLACHITIN WITH ITS EXPERIMENTAL AND CLINICAL STUDIES" Gekachiryo. 71(3). 356-357 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hideki Tabara: "INTRAARTERIAL CHEMOEMBOLIZATION THERAPY FOR UNRESECTABLE LIVER CANCER USING PLACHITIN PARTICLES" Jpn J Cancer Chemother. 21(13). 2225-2228 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hideki Tabara: "PHARMACOKINETIC STUDY OF INTRAPERITONEALLY ADMINISTERED PLACHITIN FOR NON-CURATIVE GASTROINTESTINAL CANCER" Jpn J Cancer Chemother. 22(11). 1473-1476 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田原英樹: "徐放性抗癌剤「Plachitin」による動注化学療法に関する研究" 癌と化学療法. 20. 1582-1585 (1993)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 中村輝久: "徐放性局所制癌剤プラキチンの研究" 外科治療. 71. 356-357 (1994)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 田原英樹: "肝癌に対する徐放性抗癌剤Plachitinの動注化学塞栓療法" 癌と化学療法. 21. 2225-2228 (1994)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 田原英樹: "徐放性抗癌剤Plachitinの腹腔内投与時の薬剤動態" 癌と化学療法. 22. 1473-1476 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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