研究課題/領域番号 |
06671281
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 恒夫 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (40197447)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 慢性アルコール性膵炎 / 膵管狭窄 / 膵組織血流 / 発生機序 / 慢性膵炎モデル / アルコール / 膵石症 |
研究概要 |
慢性アルコール性膵炎の発生機序は不明である。しかし、膵管挟窄と膵の虚血はその病態生理においては重要な因子であると考えられる。そこで、我々は以下の4群の実験モデル犬を作製し、病理組織像、膵機能、膵組織血流を測定し検討した。 A群:胃瘻管を作製し、エタノール2.0g/kg/dayを毎日投与した群、O群:小膵管を結紮切離し、大膵管内にポリエチレンチューブを挿入固定することにより、膵管狭窄を作製した群、AO群:A群とO群を組み合わせた群、C群:開腹のみ。いずれの群も3カ月後に再開腹し検討した。 肉眼的にはAO群のみ膵全体の硬度が増しヒト慢性膵炎様であった。AO群の病理組織学的所見はヒト慢性アルコール性膵炎の組織像に類似した所見であった。セクレチン負荷による膵外分泌機能ではAO群において膵液量、アミラーゼ量、重炭酸塩量とも対照群に比較して有意に低下していた。水素ガスクリアランス法による膵組織血流量の測定ではAO群において対照群に比較して有意に低下していた。他の群ではいずれも差は認められなかった。 以上の結果より、膵管狭窄はアルコールの障害を増強すること、膵の組織血流が低下は慢性アルコール性膵炎病変の増悪因子となるものと推測された。したがって、本モデルはヒト慢性アルコール性膵炎に類似しており有用である。
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