研究概要 |
1)シリカ吸着抗癌剤の臨床応用に関して,術前内視鏡下に食道壁に注入し,リンパ節や結合組織内の薬剤濃度および組織学的効果について検討した.臨床例16例にシリカ吸着ブレオマイシン製剤を注入し,その所属リンパ節内のブレオマイシン濃度を測定した.ブレオマシン水溶液と比較していずれも高濃度のブレオマイシンが検出された.また,36個の転移リンパ節のうち11個が壊死を伴い変性に陥っていた.全身的な症状および血液生化学的な副作用は全く認めなかった. 2)ブレオマイシン・ポリ乳酸固形剤に関して,動物実験による実験腫瘍を用いた検討で抗腫瘍効果が確認された.動物実験にて全身に及ぼす影響は見られなかった.また,シスプラチン内包ポリ乳酸マイクロスフェアを作成し,癌性腹膜炎の実験モデルに対し良好な抗腫瘍効果を得た.副作用は全く認められなかった.
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