研究分担者 |
秋山 博 獨協医科大学, 医学部, 助手 (10222548)
広瀬 清貴 獨協医科大学, 医学部, 助手 (30265326)
石井 裕二 獨協医科大学, 医学部, 助手 (80254952)
小松 淳二 獨協医科大学, 医学部, 助手 (20245096)
中村 哲郎 獨協医科大学, 医学部, 助手 (50254991)
|
研究概要 |
1.直腸癌に対する低位前方切除術(LAR)を施行された患者22名に対して,術前と術後6ヶ月に直腸肛門機能検査を施行した.術後には機能的肛門管長の短縮と直腸容量の減少が認められ,吻合部が肛門縁に近い例,および術後の直腸容量の小さい例で術後機能が不良であった.また,術前肛門管感覚の鈍麻を認める例では術後早期の排便機能が不良であり,臨床因子および術前の直腸肛門機能検査の成績と術後の機能障害の重症度との間の重回帰分析により,年齢,吻合部の肛門縁からの距離,術前の直腸容量・肛門管感覚閾値から重症度予測が可能と考えられた. 2.直腸癌・S状結腸癌に対して前方切除を施行された34例を対象としてX線不透過マーカーを用いる大腸通過時間検査を施行し,LAR術後症例に関しては,直腸肛門機能検査も併施した.術後に腹部症状を有する例では全大腸・左側大腸通過時間が延長しており,LAR術後症例のうち術後の直腸容量が大きい例において,全大腸通過時間・左側大腸通過時間の長い列で排便機能も不良であった.なお,13症例で,^<111>In-DTPAによる大腸シンチグラムを同時に施行したところ,マーカー法による成績は,より生理的であるシンチグラム法とよく相関していた.さらに,14症例で術前術後の比較を行なった結果,全大腸・右側結腸通過時間が術後に有意に延長することが判明した. 3.注腸造影に引き続いて施行できる簡易排便造影により,LAR術後に排便機能が不良である例では,直腸肛門角が鈍角であることが判明した. 4.^<99m>Tc-DTPAを用いるRI排便造影を大腸切除術後症例19例に施行した.ストレート型再建例では便排泄能は障害されないが,pouch(回腸・結腸)を用いる再建例では,便排泄に要する時間が延長していた. 5.LAR術後症例に対して長時間消化管内圧測定を施行した結果,術後の腹部症状や排便機能障害の強い例で,再建腸管のhypermotilityが認められた.
|