研究課題/領域番号 |
06671322
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 国立小児病院 |
研究代表者 |
絵野沢 伸 国立小児病院, 小児医療研究センター・実験外科研究部・実験外科研究室, 研究員 (40232962)
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研究分担者 |
掛札 敏裕 国立小児病院, 小児医療研究センター・実験外科研究室, 研究員
鈴木 盛一 国立小児病院, 小児医療研究センター・実験外科研究室, 部長 (00111386)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 手術侵襲 / 移植片対宿主病(GVHD) / ラット / 免疫能低下 / ステロイド |
研究概要 |
手術侵襲は生体にとって強力なストレスと考えられてきたが、侵襲が及ぼす為害作用について具体的に検証した報告は少ない。本研究では手術侵襲が免疫系に及ぼす影響をGVHD誘発実験を用いて検討した。GVHD誘発実験系には、近交系LEWラットを細胞ドナー、LEW系とBN系の第1代雑種(LEWxBN)F1をレシピエントとし、手術侵襲モデルとして門脈の阻血・再潅流処置を行った。消化器系の外科手術では腸管由来の内在性エンドトキシンの血中漏出がGVHD誘発因子の一つである事がわかっている。実際、上記の処置によっても、血中エンドトキシンが上昇し、また、GVHD易誘発性は手術侵襲と同様に少量のエンドトキシン(0.1〜1.0mg/kg)の静脈内投与によっても再現された。門脈阻血・再潅流処置後、ストレスホルモンのコルチコステロン及びACTHは術後6時間に通常の約1.2倍に上昇したが、統計的に有意な上昇とはいえなかった。また、ステロイド(メチルプレドニゾロン、20〜200mg/kg、i.v)投与によってはGVHD易誘発性を再現できなかった。従って、手術侵襲による宿主免疫系の変化は、ステロイドではなくエンドトキシンを含めた他の因子であろうと考えられた。エンドトキシンに関連するサイトカインとして血中TNF-α濃度を測定したが、特に変化は現れなかった。一方、薬剤等による免疫抑制処置のGVHD抑制効果については現在、経過観察中であるが、宿主にリンパ球を減少させる薬剤を投与した場合、GVHD発症率の減少ならびに生存日数の延長が見られている。
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