研究分担者 |
高野 浩昌 千葉大学, 医学部, 助手 (40272314)
飯笹 俊彦 千葉大学, 医学部付属病院, 助手 (10272303)
斉藤 幸雄 (斎藤 幸雄) 千葉大学, 医学部付属病院, 助手 (60261905)
藤澤 武彦 千葉大学, 医学部, 助教授 (80110328)
山口 豊 千葉大学, 医学部, 教授 (80009448)
田宮 敬久 千葉大学, 医学部, 助手 (10251167)
川野 裕 千葉大学, 医学部, 助手 (40251160)
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研究概要 |
【目的】気管支上皮細胞が人工気管内腔面を被覆するために最適な細胞外基質を選択することを目的として,in vitroにおける各種細胞外基質の正常ヒト気管支上皮細胞(NHBEC)の増生に対する効果を検討した. 【材料と方法】ヒト健常気管支を3mm角の組織片に細切し,下記細胞外基質をコーティングしたポリスチレンディッシュまたは人工気管素材Marlex mesh上に粘膜面を上にして静置し,無血清培地LHC-9を用いてexplant cultureを行った.位相差顕微鏡にて気管支組織片の周囲へのNHBECのoutgrowthを観察し,培養終了後占める面積を日本光学のcosmozoneを用いて測定,増生の指標として用いた. 実験1:ポリスチレンディッシュでのType I,II,III,IVコラーゲンのいずれがNHBECの増生を促進するのかの検討を行った.実験2:実験1の結果よりType IVコラーゲンに注目し,細胞接着蛋白質であるラミニン,フイブロネクチンを加えた比較を行った.実験3:医療用に市販されているMarlex meshを人工気管素材として選び,Type Iコラーゲンを厚くコーティングしたA群,A群にType IVコラーゲン,ラミニン,フイブロネクチンを重層したB群を作製しNHBECの増生の差を検討した. 【結果】実験1 : Type IVコラーゲンのコーティングにより他のTypeに比較して安定したNHBECの増生が得られた.実験2 : Type IVコラーゲンのコーティングにラミニン,フイブロネクチンを加えるとNHBECの増生が促進された。実験3 : mesh上でも,Type IVコラーゲンにラミニン,フイブロネクチンを加えたコーティングはNHBECの増生を促進させた. 【結論】無血清培地を用いたNHBECのoutgrowth培養法の検討では,Type IVコラーゲンにラミニン,フイブロネクチンの細胞接着蛋白質を加えるコーティングがNHBECの増生に非常に有効であり,mesh型人工気管内腔面を気管(支)上皮細胞で被覆させるために有用な基材となる可能性が示唆された.
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