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長期生着移植肺モデルにおける慢性拒絶反応の成因についての分子免疫学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 06671349
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 胸部外科学
研究機関徳島大学

研究代表者

宇山 正  徳島大学, 医学部, 助教授 (00168759)

研究分担者 先山 正二  徳島大学, 医学部・附属病院, 医員
環 正文  徳島大学, 医学部・附属病院, 医員
住友 正幸  徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (60236049)
門田 康正  徳島大学, 医学部, 教授 (60028628)
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードラット肺移植 / 慢性拒絶 / サイトカイン / PCR / 免疫組織学
研究概要

ラット移植肺モデルを用いた慢性拒絶反応の分子免疫学的検討を行うため以下の実験を行い結果が得られた。急性拒絶時の移植肺における各種サイトカインの産生につきコントロールとしてアイソグラフト肺を用い経時的に比較検討した。サイトカイン産生はmRNAおよび蛋白レベルで検討した。浸潤細胞内のサイトカインmRNAとしてIL-1β,TNFα,interferon γ(IFNγ),IL-2,IL-4,IL-6の発現をRT-PCR法により半定量的に求めた。サイトカイン蛋白の浸潤細胞による産生については免疫組織学的検討を酸素抗体法によりラット・サイトカインのなかで免疫組織学的に検討可能なIL-1β,TNFα,IFNγ,IL-4につき検討した。
炎症性サイトカインであるIL-1βおよびTNFαの検討:アイソグラフトでも移植後早期(移植後3および5日)において両mRNAの発現が認められた。しかしながら、両mRNAとも移植後1ヶ月ではその発現は減少した。移植後早期の発現は手術侵襲あるいはreimplantation responseの影響が考えられた。急性拒絶肺においてはIL-1βおよびTNFαとも移植後3日目でアイソグラフトと比較してより強い発現が見られたが、TNFαが移植後5日でも増加傾向を示すのに比し、IL-1βは移植後5日では減少する傾向を示した。
Th1サイトカイン(IFNγ、IL-2)およびサイトカイン(IL-4)の検討:アイソグラフトにおいては移植後3日ではIFNγ、IL-2、IL-4の発現は軽度に認められるのみであったが、急性拒絶肺においては移植後3日ではIFNγ、IL-2、IL-4はすべて、アイソグラフトと比較して明らかにその発現は高度であった。経時的な変化をみるとIL-2は移植後5日では減少傾向を示すが、IFNγは移植後5日では約2倍に増加、IL-4は移植後5日では軽度の増加傾向を示した。
慢性拒絶肺の浸潤細胞についてもサイトカインの産生を前記方法により検索し、急性拒絶肺との差について比較検討した。慢性拒絶肺では急性拒絶肺のvascular phaseと類似の浸潤パターンをみるが、浸潤マクロファージのサブセットに差を認めていたので、マクロファージにより産生されるIL-1β,TNFαの発現が急性拒絶肺とは異なる可能性があるため比較検討した。両サイトカインとも急性拒絶肺と同程度の発現が認められた。Th1サイトカインを検討すると、IFNγは慢性拒絶肺では急性拒絶肺に比較しその発現は軽度であるのに、IL-2は慢性拒絶肺でも急性拒絶肺の移植後5日目より強い発現を認めた。Th2サイトカインであるIL-4は慢性拒絶肺では強い発現を認めた。以上の結果より、われわれの長期生着移植肺モデルでは移植後短期のサイクロスポリン投与により急性拒絶を回避し長期生着するが、グラフト内の浸潤細胞は急性拒絶とやや異なるサイトカイン産生を行っており、引き続き産生されるサイトカインをターゲットとする治療が慢性拒絶反応を抑制する可能性が考えられた。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tadashi Uyama: "Pleural changes in the lung allograft during acute rejection" Transplantation International. 7(Suppl 1). S399-S401 (1944)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Shoji Sakiyama: "Pathogenesis of late airway changes in long-term surviving lung allograft" Am J Respir Crit Care Med. 150. 1137-1141 (1944)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Tadashi Uyama: "Graft infiltrating cells in rat lung allograft with late airway damages" Transplantation Proceeding. (in press).

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Jobst B Winter: "Defective bronchus-associated lymphoid tissue in long-term surviving rat lung allografts" J Heart Lung Transplant. (in press).

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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