研究課題/領域番号 |
06671352
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
|
研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
葉玉 哲生 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00145377)
|
研究分担者 |
添田 徹 大分医科大学, 医学部, 医員
宮本 伸二 大分医科大学, 医学部, 助手 (70253797)
山田 和廣 大分医科大学, 医学部, 教授 (20053027)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 逆行性脳灌流法 / 循環停止法 / 脳エネルギー代謝 / 31-P MRS法 / ATP / phosphocreatine |
研究概要 |
【目的】逆行性脳灌流法,順行性脳灌流法及び循環停止法において核磁気共鳴スペクトル法を用い、脳内リンエネルギー代謝を経時的に測定し各々の脳保護効果の比較検討を行った。【対象および方法】日本猿6頭[順行性灌流(NCP)群2例、逆行性灌流(RCP)群3例、循環停止(CA)群3例]を用いた。脳内ATP,phosphocreatine(PCr)スペクトルの各面積比、及び細胞内pH(pHi)を経時的に比較検討した。体外循環条件は各群で大腿動脈送血100ml/kg/min、鼻咽頭温15℃にて30分間コントロールを測定した後、各循環法にて60分間灌流、その後、鼻咽頭温15℃にて120分再灌流、さらに37℃にて60分順行性再灌流した。逆行性脳灌流は大腿動脈及び上行大動脈脱血、右内頚静脈送血にて行った。【結果】1)NCP群では高エネルギーリン酸は、維持された。2)phosphocreatineはRCP群では60分後においてもコントロールの15%残存しているのに対しCA群では停止後40分で完全に消失した。再灌流において逆行性灌流群での回復は速やかで復温灌流後でコントロール値に回復するのに対しCA群では回復遅延を認め、復温後もコントロール値の60%までしか回復しない。2)β-ATPはCA群60分後ではコントロール値の22%まで低下し再灌流でも75%までしか回復しない。一方,RCP群では全経過を通じてほぼ維持された.3)細胞内pHはNCP群では正常に維持されるがCA群、RCP群ともに灌流後60分までアシドーシスに傾く。しかし再灌流後,RCP群ではコントロール値へ回復するのに対しCA群では再灌流後もさらにアシドーシスへと傾き、再灌流障害の可能性も示唆された。【考察】 体外循環中の脳保護法として逆行性脳灌流法は循環停止法に比べ脳細胞内環境の維持に有効であると思われた。
|