研究課題/領域番号 |
06671376
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浅井 昭雄 東京大学, 医学部(病), 講師 (50231858)
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研究分担者 |
森川 栄治 東京大学, 医学部(病), 助手 (90251256)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 脳虚血 / 一酸化窒素 / 脳梗塞 |
研究概要 |
1.in vivoの脳虚血における一酸化窒素濃度の測定 (1).電極を用いた一酸化窒素濃度の直接測定法は、in vivoの局所脳虚血における応用が報告されたが(J Cereb Blood Flow Metab 13:355-358,1993)、その後方法論上の問題があることが判明した。(2).第一に生体内で産生される酸素ラジカルなど、一酸化窒素以外の小分子が測定値に大きく影響を与えている可能性が高いことである。一酸化窒素のおおよその濃度の指標が得られさえすれば有益だと考えられるが、一酸化窒素合成酵素アッセイにて一酸化窒素の合成がほとんど完全に阻害されていると考えられる状況においても、パイロット実験では一酸化窒素濃度の有意な上昇を認めた。すなわち、まったく別のものを測定している可能性が高い。(3).また、データが安定しないので基準値の設定に困難を伴う。(4).最初に報告したグループからもその後の続報はみられない。したがって、電極を用いた一酸化窒素濃度測定法は現時点では、in situの一酸化窒素濃度測定の確立した方法だとはいい難い。 2.局所脳虚血後の脳梗塞 (1).Sprague-Dawleyラットをハロセン麻酔下に動脈圧、血液ガス、体温をモニターしながら近位部中大脳動脈を閉塞し生存させると、100%の24時間生存率を得た。(2).24時間後に脳を取り出し2mmの切片としてTTCにて染色し、それぞれの切片における梗塞面積をコンピューターに接続したイメージスキャナーにて測定し脳梗塞体積を計算することが可能であった。(3).パイロット実験では、生理食塩水投与群に比べてL-arginineの投与後に梗塞体積の縮小、L-nitro-arginineの投与後に梗塞体積の増大する傾向を認めた。すなわち、一酸化窒素の血管系に対する作用が前面に出ているものと推測された。 3.現在までの以上の結果から、信頼性のおける直接的な一酸化窒素測定法が可能となれば局所虚血モデルにおける上記梗塞体積の変動が一酸化窒素濃度に由来するものか検討することが可能である。
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