研究課題/領域番号 |
06671381
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
安藤 隆 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90126722)
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研究分担者 |
竹中 勝信 岐阜大学, 医学部, 助手 (00283292)
西村 康明 岐阜大学, 医学部, 講師 (60198512)
郭 泰彦 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (90242718)
横山 和俊 岐阜大学, 医学部, 助手
岩井 知彦 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (80223361)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | hippocampal slice / intracellular free calcium / hypoxia and glucose free / nitric oxide / neuronal death / calcium / NMDA / hippocampal Slice |
研究概要 |
ラット海馬スライスを用いて海馬CA1錐体細胞内カルシウムイオン濃度の経時的変化を測定するモデルを作成し、低酸素無グルコース負荷やNMDAに対する細胞内カルシウムイオン濃度変化及び各負荷に対する低温や各薬剤における変化について検討した。 1)低酸素無グルコース負荷により細胞内カルシウムイオン濃度は一定の潜時の後急激で過剰な持続的上昇を認めたが抑制されたことにより神経細胞死の一因として細胞内カルシウムイオン濃度の過剰な上昇が推察された。細胞障害作用を有するNMDAを含む人工脳脊髄液で潅流すると、細胞内カルシウムイオン濃度の一過性上昇がみられたことより、興奮性伝達物質の細胞内カルシウムイオン濃度上昇との関連が示唆され、またNMDAによる細胞内カルシウムイオン濃度の上昇は興奮性伝達物質の受容体を示していると考えられ、海馬スライスによる実験で経時的変化やさらに受容体の分布を推察することも可能と思われた。 2)10分負荷後の再潅流で細胞内カルシウムイオン濃度は急激に安静時まで下降したのに対して、15分負荷後再潅流では安静時までの下降はみられなかった。また潅流液の温度を31℃に下げると15分負荷後再潅流でも急激に安静時まで下降した。過剰な細胞内カルシウムイオン濃度上昇の持続時間が長いほど、再潅流後の細胞内カルシウムイオン濃度の安静時までの回復が見られなかったことより細胞内カルシウムイオンの過剰な上昇時間と細胞障害との関連が推察された。 3)ある程度の保護効果が報告されている低温やチオペンタールは、細胞内カルシウムイオンの過剰な上昇を抑制することはできなかったが、、過剰な上昇を遅延させる作用がみられた。 4)NO様作用を有するSNPは、NMDAによる細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を濃度依存性に抑制したが、SNPの100倍NO様作用を有するとされるSNAPや拮抗性抑制剤であるL-NNAの前投与は細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を抑制しなかった。このことにより、SNPの細胞内カルシウムイオン流入抑制作用は、NOを介さない別の機序が推測され、NO様物質としてSNPを用いることには注意が必要と思われた。
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