研究課題/領域番号 |
06671401
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
丹羽 正美 長崎大学, 医学部, 教授 (20136641)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 脳腫瘍 / 輝尽発光画像解析システム / 定量的レセプターオートラジオグラフ法 / 増殖因子受容体 / グリオブラストーマ / メニンジオ-マ / 脳腫瘍毛細血管 / 増殖因子 / radioluminographic imaging plate system / glioblastoma / meningioma |
研究概要 |
脳腫瘍の発育増殖における血管新生(angiogenesis、内皮細胞出芽による新血管網の形成)の過程での増殖因子の役割を探るために、ヒト脳腫瘍から単離された腫瘍微小血管における増殖因子受容体の存在の有無を検討した。 正常脳組織と比較して組織構築が硬い腫瘍組織から効率よく微小血管を回収するために、我々の開発したポリトロンホモゲナイザーとテフロン-グラスホモゲナイザー、および2種類のナイロンメッシュ(450μmと150μm)を組み合わせた採取法を用い、所期の目的を達成した。また、生体組織からの回収量が少ない微小な検体の受容体検出法として、我々の定量的受容体オートラジオグラフィー-ペレット法に、輝尽性蛍光性BaFBr:Eu^<2+>による「輝尽発光現象」を利用したイメージング・プレート装置を組み合わせた実験システムを完成させた。 増殖因子の1つであるend0thelin(ET)の放射性リガンドである^<125>I-ET-1と、2種類のETの受容体(ET_A型とET_B型)の選択的作動薬と拮抗薬を用いて5例のglioblastomaの微小血管に平均約7:3の比率でET_A型とET_B型受容体の発現を認めた。 同様に、9例のmeningioma微小血管にもET_A型受容体の発現を観察できた。組織型(meningothelial 3例、transitional 5例、fibrous 1例)の違いにおけるET受容体のリガンド親和性と受容体密度には有意な差を検出できなかった。 ETは、脳腫瘍から採決された微小血管標本に対して、イノシトールトリスフォスフェイト(IP_3)の著明な上昇作用があり、検出されたET受容体が機能的であることが確認された(投稿中)。 glioblastomaより採取された微小血管にvascular endothelial growth factor(VEGF)受容体を検出できた(投稿中)。 本実験の結果、ETとVEGFは脳腫瘍における血管新生に受容体を介して、発育促進的に働くことが示唆された。
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