研究概要 |
悪性グリオーマの局所浸潤の機序を血管新生と脳浮腫の面から平行または同時に検討し、これらに関与している諸因子を明らかにし、腫瘍の局所進展機序を解明することを目的として以下の実験を行った。 1.in vitro 実験:グリオーマ細胞の血管新生に関する検討 グリオーマ細胞株の産生する各種GF(bFGF,VEGF等)をmRNAレベルで同定し、グリオーマ細胞と血管内皮細胞(BAE)とのco-culture血管新生モデルシステムを用いそれらの血管新生効果および作用機序を検討し、グリオーマ細胞の産生するbFGFが血管新生に関与していることを明らかにした。 2.in vivo 実験:脳腫瘍移植ラットを作成し以下の実験を行った。 (1)脳浮腫の検討:動物用MRSI装置にてT1、T2強調画像、Gd増強像及び拡散強調画像をとり脳腫瘍と脳浮腫を同定し、腫瘍浸潤と脳浮腫動態を検討後、潅流固定し病理組織学的検討を実施した。 (2)血管新生の検討:上記MRI検索後の標本にて腫瘍浸潤と血管新生を病理学的に検索し、MRI Gd増強像との比較検討も行った。 (3)3因子の検討:標本にてECM,MMP,各種GFの特殊染色を行い、これら諸因子の発現部位、時期について検討した。
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