研究課題/領域番号 |
06671428
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
有田 憲生 近畿大学, 医学部, 講師 (80159508)
|
研究分担者 |
井奥 匡彦 ライフサイエンス研究所, 教授 (80088541)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | hydrooephalus / X-linked / aqueduct stenosis / LICAM / gene / MRI / CT |
研究概要 |
1.伴性劣性遺伝性水頭症の臨床像 日本こども病院神経外科医会会員の協力を得て自験6家系14症例を含む15家系30症例についての臨床像を検討した。(JNeurosurg 印刷中)(1)診断時期;在胎21週より生後2ケ月の間に診断した。胎生期に診断した18例はすべて胎児エコーで、生後診断した12例はCTあるいは気脳室撮影で診断した。(2)画像所見;シャント前CT(12例)では、著明な側脳室拡大を全例に認めたが、第3脳室の大きさは症例により異なった。シャント後CTでは、縮小した脳室壁は不整な波状の形態を示し、一側の非対称な縮小を認めた例が多かった。MR画像(6例)では、中脳水道は4例で開存しており、脳梁欠損、視床癒合、四丘体平坦化、小脳虫部前葉萎縮、硬膜肥厚などを大部分の症例で認めた。(3)中枢神経系外合併奇形としては、拇指の内転屈曲を77%に認めた。(4)治療および予備;無治療の10例では9例死亡、1例のみ重度精神運動発達障害を伴い生存中である。シャント施行20例では、14例生存中で11例は重度、3例は中程度の精神運動発達遅延を後遺している。(5)剖検(4例);中脳水道は全例で開存していた。以上のことから、本症は単なる中脳水道閉塞による水頭症ではなく、他の合併奇形を伴う複雑な病像を示す疾患であることが反映した。 2.分子遺伝学的研究 近年の分子遺伝学的研究により、本症の原因遺伝子座位がXq28に存在することが明らかとされ、本座位に存在するL1遺伝子変異が現在までに数家系で報告された。自験例で検討した結果、欧米と同一の変異は認めず、1家系においてL1遺伝子のヌクレオチド残基1963位に従来報告されていない変異を認めた。(投稿中)
|