研究課題/領域番号 |
06671446
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
北川 秀機 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (70242500)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 経頭蓋磁気刺激 / c-fos蛋白 / 運動誘発電位 / C-fos遺伝子 / 磁気刺激 |
研究概要 |
経頭蓋磁気刺激による伝導路およびその作用機序を明かにすべく、ネコで賦活化中枢神経ニューロンの免疫組織学的および電気生理学的解析を行なった。免疫組織学的解析では経頭蓋磁気刺激によりc-fos陽性細胞は錐体路および錐体外路系の諸核で染色性の上昇を認めた。しかしながら、c-fos蛋白活性の分布は運動野以外の広範な大脳皮質の染色性も増加していた。すなわち経頭蓋磁気刺激は運動野以外の大脳皮質に広範に拡がっていると判断された。 そこでさらに効率の良い刺激方法を確立すべく電気生理学的解析を行なった。至適刺激方向の検討では8字形コイルを頭蓋骨に接して360度回転させて刺激し前腕屈筋より記録した際はコイル角90度、すなわち大脳皮質運動野が位置する頭蓋骨内で誘起される渦電流の向きが外側から内側のときに最も高電位振幅であった。さらに刺激有効性を高めるべく5×5cmの開窓磁気シールド(パ-マロイ)を介して刺激を行なうと脊髄誘発電位の閾値は、遮蔽しないときの閾値と比べ有意に低下した。しかし、その伝導速度はシールドの有無に関わらず70-129m/sと速かった。磁場は磁気シールドを用いない場合(0.24Tesla)に比べ開窓磁気シールドを用いると(0.30Tesla)、その開窓辺縁で増大した。渦電流はコイル角90度では吻側より尾側に流れ、その大きさは磁気シールドを用いなかった場合(30mV)より、開窓磁気シールドを用いることにより増大した(35mV)。開窓磁気シールドを用いることにより誘発電位の閾値が低下した事実は、開窓部辺縁で磁場が増大し、そのため電場が増大したためと考えられた。一方、本実験で記録された脊髄誘発電位の伝導速度は皮質脊髄路としては速いことや、誘起される電場が脳幹付近で最大であることより錐体外路系の関与も示唆された。 以上の結果から、ネコの経頭蓋磁気刺激は運動野以外に広範な大脳皮質及び脳幹部のc-fos蛋白活性分布を示し、複雑な形態を有する頭蓋骨内で誘起された渦電流が修飾され錐体路および錐体外路系を賦活したものと結論された。
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