| 研究概要 |
1.生体内で分解・吸収するリングの開発:生体内分解吸収性高分子化合物として、乳酸とグリコール酸の比率が7:3の共重合体(数平均分子量40500、重量平均分子量75300)を用いた。これを外径3mm、内径1mm、厚さ1mmのリング状に加工し、等間隔に12個穴を開け、直径0.2mmのステンレス製ピンを6本刺入した。
2.実験結果:この吸収性リングを用いて兎の大腿動脈27本を吻合した。吸収性リングは30週で完全に吸収され、27例中24例(89%)開存した。術後2週で吻合部の血管壁は正常の40%に菲薄化したが、術後30週で正常の厚さに回復した。吻合前後と屠殺時の血流量の変化に統計学的有意差は無かった。
3.研究成果:Hiroshima International Hand and Microsurgery Symposium;Hiroshima,Japan.(1994年5月)、2nd Federation of European Societies for Microsurgery;Copenhagen,Denmark.(1994年6月)、12th Congerss of the International Microsurgery;Nara,Japan.(1994年10月)、Reconstructive Microsurgery of the Hand;Singapore,Singapore.(1995年1月)で発表した。
また「吸収性リングによる血管吻合の実験的研究」として広島大学医学雑誌43:65〜75、1995に論文を発表した。
さらに、吸収性リングによる血管吻合を静脈吻合および動脈への静脈移植へ応用し、6th Congress of the International Federation of Societies for Surgery of the Hand(IFSSH),Helsinki,Finland(1995年7月)で報告する。
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