研究課題/領域番号 |
06671473
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
川上 守 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (20195051)
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研究分担者 |
玉置 哲也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (30009592)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 髄核 / 線維輪 / 疼痛 / 痛覚過敏 / phospholipase A2 / 一酸化窒素 / mepacrine / L‐NAME / L-NAME / pH / インターロイキン |
研究概要 |
平成6年度の研究結果は以下のごとくであった。1)同種髄核、線維輪の硬膜外移植によりそれぞれ圧、熱刺激に対する痛覚過敏が尾部に出現した。2)組織学的に線維輪周辺の肉芽様組織に一酸化窒素合成酵素(NOS)が多数認められ、髄核と線維輪にはphospholipase A2(PLA2)が観察された。平成7年度の研究目的は1)圧、熱に対する異なる痛覚過敏発現の機序は何か、2)NOSやPLA2がこれらの痛覚過敏にどのように関与するかを検討することであった。ラット坐骨神経に髄核、線維輪を移植し、痛覚過敏出現の有無を観察した。さらにNOSとPLA2のinhibitorであるN‐nitro‐L‐arginine methyl ester(L‐NAME)とmepacrineをそれぞれ局所投与し、圧、熱刺激に対する感受性変化を定量化した。髄核のみの移植で圧刺激に対する痛覚過敏が出現した。髄核、線維輪移植ではL‐NAME投与にてはじめて圧刺激に対する痛覚過敏がみられた。これらの痛覚過敏はmepacrine投与にて完全に消失した。熱刺激に対する痛覚過敏の出現はいずれの処置においてもみられず、また、L‐NAME、mepacrine投与後にも感受性の変化は観察されなかった。したがって、線維輪周辺のNOは圧刺激による痛覚過敏出現を抑制すると共に硬膜外では直接、脊髄、後根神経節に作用して痛覚過敏を惹起せしめる可能性がある。また。PLA2は圧刺激に対する痛覚過敏に関与することを証明した。本研究結果は神経根症の疼痛発現にPLA2やNOが関与する可能性を示唆するものである。
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