研究課題/領域番号 |
06671509
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
富士原 秀善 新潟大学, 医学部, 助手 (20251803)
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研究分担者 |
津久井 淳 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (20242422)
福田 悟 新潟大学, 医学部, 助教授 (30116751)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | カルシウムイオン / fura-2 / 微量注入 / 画像解析 / 血管平滑筋 |
研究概要 |
平成6年度は、細胞内にイノシトール三燐酸、ヘパリンを微量注入するための基礎的な実験を行った。ラット(6-8週令)胸部大動脈由来培養血管平滑筋細胞に蛍光カルシウム指示薬fura-2を負荷後、対物20倍レンズで観察した。既存のARUGUS200CA細胞内カルシウムイオン濃度測定装置により、340nm及び380nmの紫外線を交互照射し、各々500nmおける蛍光強度を測定した。既存のマイクロマニピュレータ5170(カ-ルツァイス社製)を用いて観察対象とする細胞近傍へ、あらかじめ細胞内組成液を充填した微小ピペットを近付けた。その後、マイクロインジェクタ5242(エッペンドルフ社製)により微量注入を行い、蛍光画像を取得した。 微量注入操作のみによる細胞内カルシウムイオン濃度分布への影響を検索するために細胞外液のカルシウムイオン濃度、微小ピペット内の細胞内組成液のカルシウムイオン濃度、及びカルシウムキレーターの濃度、蛍光カルシウム指示薬fura-2の濃度、注入圧、注入時間等を変化させて実験を行った。その結果、1)微小ピペットによる細胞膜刺激のみで細胞内カルシウムイオン濃度上昇が観察された。2)細胞外液のカルシウムイオン濃度をカルシウムキレーターにより0mMとし、さらに微小ピペット内溶液にカルシウムキレーターを添加しfura-2を0.1mM加え、注入圧30-50hctPa、注入時間0.1-0.5秒の範囲で微量注入を試みたところ、細胞内蛍光強度の減少が見られた。3)そこで上記の条件でfura-2を10mM加え、色素注入を行い、fura-2の蛍光強度を360nmの紫外線を照射し観察したところ、注入時にfura-2は細胞全体に広がるが、その後蛍光強度は急峻に減少し、注入操作後、細胞の反応性を確認するために血管伸縮薬を投与した時の画像取得に耐えないことがわかった。 以上より、細胞膜に非可逆的損傷を与えないためにより正確、精密な熟練した注入操作が必要であること、またカルシウムイオン濃度の急速な変化をとらえるためにカルシウムイオン濃度測定装置のコンピュータメモリを増設するなど時間解像度を改善すべきこと、より高倍率の対物位相差、及び対物蛍光レンズが必要であることがわかった。今後、これらの諸問題を解決すべく研究をすすめる予定である。
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