研究概要 |
phenobarbitalによって、肝cytochrome P450reductase活性を増加させたラットの肝microsomeを低酸素下(酸素分圧は約1mmHg)に置き、吸入麻酔薬(ハロセン、セボフルレン、イソフルレン、いづれも2%の濃度)に暴露し,NADPH存在下でincubateし、その脂質過酸化の程度をTBA法により比較した。vitamin E欠乏でないラットの肝microsomeを用いた場合には、ハロセン以外は、目立った脂質過酸化を起こさないことは予備実験で確認済みである。 4週令のラットをvitamin E欠乏食にて4週間飼育した後,phenobardital 75mg/kgを腹腔内に4日間投与し、肝microsomeを採取し、これを用いた。incubationに用いた反応系の内容はいかのとおり、 rat肝microsome:1mg protein/ml,NADPH:1mM,EDTA:1mM,tris buffer(pH7.4):150mM これを37度Cにて40分incubationした。この結果:thobarbituric acid reacting substanceの量は麻酔剤と酸素濃度の組み合わせにより、以下の如くであった。 酸素濃度1%の場合:halothane>sevoflurane=isofrurane=no-anesthetic 酸素濃度0.15%の場合:halothane>>sevoflurane >isoflurane>no-anesthetic halothaneが低酸素下でphenobarbital 誘導肝microsomeにin-vitroに脂質過酸化を起こすことは以前から知られていたが,sevoflurane,isofluraneでは示されていなかった。しかしin-vivoの結果から、起こすことは予想されてはいた。今回我々は,vitaminn E欠乏ラットを用いて,sevoflurane,isofluraneでもinvitroに脂質過酸化を起こすことを示した。
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