研究課題/領域番号 |
06671517
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
谷口 良久 京都大学, 医学研究科, 助手 (20243016)
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研究分担者 |
森 健次郎 京都大学, 医学研究科, 教授 (20025620)
荒井 俊之 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80175950)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 酸化的ストレス / 遺伝子発現 / チオレドキシン / 酸素ストレス |
研究概要 |
手術侵襲下に高濃度の酸素吸入状態という酸素ストレスに晒された生体が、その時発生する活性酸素を消去するために、どのような生体防御の応答を示すか解析するために、我々はラジカル消去に関わる酵素である、スーパーオキシドジスムターゼ、グルタチオン還元酵素、カタラーゼ、チオレドキシンの遺伝子発現のレベルを解析した。これら酵素のヒト正常リンパ球、ヒトT細胞リンホ-マ由来細胞株Jurkatを用いたin vitroにおいて細胞に過酸化水素等の酸化剤を加えたメディアムにて一定時間培養した後、メッセンジャーRNAを抽出し、逆転写酵素遺伝子増幅法にて作製したプローブを用いて遺伝子発現をNothern blottingでの解析の結果、我々はこれらの遺伝子のなかでチオレドキシン遺伝子が酸化的刺激に対し反応していることが示されたが、その他の酵素に関しては、より感度が優れているRNAプロテクション法においても遺伝子発現の変化を観察することができなかった。また遺伝子発現の解析よりチオレドキシン遺伝子は酸化的ストレスに対して新しい遺伝子発現の機構にて遺伝子を発現、誘導していることを示唆する結果を得た。ヒトゲノムライブラリーよりクローニングしたチオレドキシン遺伝子の5′側の上流のプロモタ-領域を転写開始部位より種々の長さに調整し、その下流にCAT遺伝子を挿入した人工のコンストラクトを細胞に導入する発現実験の結果、転写開始部位より-976と-890の間の配列にチオレドキシン遺伝子が過酸化水素、diamide、menadioneの酸化的刺激に、応答する相同するエレメントがあることが示された。この領域には既知の酸化的刺激にたいし、応答するエレメントを見出すことはできなかった。これらのことよりチオレドキシン遺伝子は新しい塩基配列をもつシスエレメントを使用して酸化的刺激にたいし応答していると考えられる。
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