研究課題/領域番号 |
06671519
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹之下 眞 大阪大学, 医学部, 講師 (00144486)
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研究分担者 |
吉矢 生人 大阪大学, 医学部, 教授 (80028505)
柴田 政彦 大阪大学, 医学部, 助手 (50216016)
川口 哲 大阪大学, 医学部, 助手 (70214616)
上山 博士 大阪大学, 医学部, 助手 (10243205)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 全身麻酔薬 / 作用機序 / 電気生理学 / 脊髄スライス標本 / パッチクランプ法 / ラット / 抑制性シナプス伝達 / グリシン |
研究概要 |
吸入麻酔薬の作用部位はシナプスであり、興奮性シナプス伝達が抑制されることは従来明らかにされてきた。しかし抑制性シナプス伝達に関しては、(i)吸入麻酔薬により増強されその中枢神経抑制に寄与しているのか、それとも(ii)興奮性シナプス伝達同様におさえられ、吸入麻酔薬の中枢神経抑制に寄与していないのか、論争のあるところであった。抑制性シナプス伝達を単シナプス性に単独に取り出し記録するのが従来非常に困難であり、通常記録される多シナプス性抑制性シナプス伝達では、その中に興奮性シナプス伝達を内包するため興奮性シナプス伝達に対する麻酔薬の作用を除去できず、純粋に抑制性シナプス伝達(単シナプス性)に対する作用を検討できないのがこの論争の一因であった。この問題を解決するため以下の実験を行った。幼若ラット脊髄を摘出後、寒天に包埋し、スライサ-にて厚さ120μmの切片を作成、37℃で1時間インキュベートした。ノマルスキー顕微鏡を用い直視下に運動ニューロンを同定しwhole cell patch clampをおこなった。CNQX,bicuculline存在下で、介在ニューロンを直視下に同定刺激し、voltage clamp下の運動ニューロンよりグリシン作動性単シナプス性抑制性電流を記録した。気化器からの1-3%ハロセンで通気した灌流液を10分間投与した。「結果」ハロセンはこの抑制性電流を可逆的に減少させた。これは抑制性シナプス伝達も吸入麻酔薬により抑制されることを明確にした初めての報告であり、米国麻酔学会で発表した(Takenoshita&Yoshiya:Anesthesiology81:A890,1994).
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