研究概要 |
1)イソフルランはNADPH-シトクロムP450還元酵素活性に影響を及ぼさなかった. シトクロムP450の還元速度はイソフルランの濃度に依存して早くなった. イソフルラン1.19mMの存在の時にシトクロムP450の還元速度は約2倍に増加した. 還元的ハロタン脱ハロゲン化反応過程で生じる反応中間体とシトクロムP450との複合中間体の形成速度はイソフルランの濃度に依存して早くなった. ハロセンの還元反応によって生じるジフルオロクロロエチレンとトリフルオロクロロエタン生成反応のミカエリスメンテン係数はイソフルランの濃度が290μMのときに60%に減少した.この反応の最大速度はイソフルランによって影響を受けなかった.ハロセンの酸化反応によって生じるトリフルオロ酢酸の生成反応に関するイソフルランの阻害常数は91μMであった. 2)アニリンの水酸化反応のミカエリスメンテン係数はイソフルランによって55%-77%に減少した.これ以上のイソフルラン濃度では影響なかった. アミノピリン脱メチル化反応のミカエリスメンテン係数はイソフルランによって用量依存性に増加した.この反応の最大速度はイソフルランによって変化しなかった. 代謝生成物,クロロホルムの生成反応に関するミカエリメンテン係数は,イソフルランの濃度が0.74mM(気相濃度2.2%に相当)のときに対照より86%減少した.また,反応最大速度にはほとんど影響しなかった. イソフルランによって,445nmの形成が速やかにおこった.反応中間体の形成速度が早くなったことを示す. 吸入麻酔薬によるモルモット肝ミクロソームの電子伝達系の亢進程度はイソフルラン>エンフルラン>ハロタン>セボフルランであった.
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