研究課題/領域番号 |
06671553
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
森田 茂穂 帝京大学, 医学部, 教授 (60143476)
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研究分担者 |
南部 隆 帝京大学, 医学部, 助手 (10237638)
照井 克生 帝京大学, 医学部, 助手 (90256074)
後藤 隆久 帝京大学, 医学部, 助手 (00256075)
新見 能成 帝京大学, 医学部, 助教授 (90198416)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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研究概要 |
冠動脈狭窄による心筋虚血をもつ心臓にタンポナ-デが発生することは臨床上まれならずみられるが、その際心嚢内圧上昇の影響が正常心の場合と比較してどのように異なるかを、犬のモデルを用いて今回調べた。 犬を全身麻酔、機械換気下に開胸し、冠動脈左回施技を狭窄して、その潅流領域の心筋収縮が狭窄前の70%まで落ちるように心筋虚血を作成した。 心嚢内圧の上昇による血圧低下に対し輸液で対処することなく経過を観察すると、心筋虚血のある犬は、正常犬に比べ低い心嚢内圧でショック状態に陥ることが判明した。この理由として、心筋虚血をもつ犬は正常犬に比べもともと心拍出量が低いので、心嚢内圧上昇による実質的な前負荷の減少(前負荷=心室内圧-心嚢内圧)の影響が、大きな血圧低下につながりやすいことが考えられる。また、正常心にタンポナ-デが起きた場合、冠動脈血流は減少しないことが従来報告されているが、今回我々は、冠動脈狭窄の存在下では冠血流量が心嚢内圧の影響を受け減少し、その冠流域の心筋収縮能が低下することを初めて発見した。 心タンポナ-デの病態生理の研究は、低圧系である右心系に従来焦点が当てられてきたが、今回の我々の研究は、左心系の心機能低下や虚血もタンポナ-デの病態に大きく影響することを示した。
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