研究課題/領域番号 |
06671591
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
瀧原 博史 山口大学, 医学部, 助教授 (50144936)
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研究分担者 |
馬場 良和 周東総合病院, 部長 (60208717)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 精巣回転症 / 精細胞DNA / 妊娠率 / 精巣虚血 |
研究概要 |
Lewisラットを対象とした片側精巣捻転症ラットの成長後の雌ラットとの交配実験、精巣DNA量解析結果から、5週齢ラットでは片側の精巣捻転症による対側精巣の造精機能障害と妊孕性低下が確認された。さらに、5週齢Lewis雄性ラットを5群に分け、1群はコントロール群で、他の4群は、左精索捻転(1080度時計方向回転させ、精巣白膜を陰嚢皮下組織に6-0絹糸にて固定)作製後、4時間、8時間、12時間、24時間後に精索捻転を解除し、陰嚢内に固定、5週間後(雄性ラットは10週齢)に10週齢の雌性ラットと交配させ、胎児数、妊娠率を測定した。交配後、雄性ラットの精巣を摘出、Flow cytometryによる精細胞DNA量分布にもとづいたHaploid cell比率の測定、精細管直径、精巣上体重量を測定した。さらに採血、deep freezeし、下垂体-精巣系の内分泌学的動態を測定した。その結果、片側精巣回転症による精巣虚血が4時間、8時間となるにつれて成長後の雌ラットとの交配後の胎児数、妊娠率が低下の傾向を示し、さらに12時間を越すと、成長後の妊孕が有意に低下することが示され、さらに、精細胞DNA量の定量的解析ならびに下垂体-精巣系の内分泌動態の解析の結果、精細胞DNA量から測定した精細胞の成熟度も8時間以上の精巣虚血では、成長後に対側精巣の機能障害をきたすことが実証された。また、血清LH,FSH,テストステロンの測定の結果、これらの内分泌動態には異常を来さないことが実証された。 以上の結果から、幼少時の精巣捻転症において、8時間以上の期間経過した捻転側精巣を整復、固定した場合、成長後に対側精巣の造精機能障害や不妊症をおこしうる事が確認され、臨床上、本症の治療において念頭におくべきことと考えられた。
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