研究課題/領域番号 |
06671608
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
山本 啓介 大阪市立大学, 医学部・泌尿器科学教室, 助教授 (70137230)
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研究分担者 |
船江 良彦 大阪市立大学, 医学部・化学研究室, 教授 (00047268)
杉村 一誠 大阪市立大学, 医学部・泌尿器科学教室, 講師 (90187659)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 尿路結石 / 蓚酸カルシウム結石 / 蓚酸 / オートラジオグラフィー / ビタミンB6欠乏 / クエン酸 / ペントサンポリサルフェイト / ビタミンD6欠乏 |
研究概要 |
平成6年度の実験において、過蓚酸尿症ラットに腎オートラジオグラフィーを施工することにより、ビタミンB6欠乏食飼育後2週で^<14>C_-標識蓚酸の集積像が認められ、飼育後4週には集積像の数の増加と、大きさの増大が見られた。この^<14>C_-標識蓚酸の集積像は、集合管の上皮細胞内およびその周囲の間質に認められ、その集積像は偏光顕微鏡等にて蓚酸カルシウム結晶であると確認された。 平成7年度は、この過蓚酸尿症ラットに対して、尿中のカルシウムと錯イオンを形成することにより結石発症予防効果があると考えられているクエン酸、および尿中に多く含有されるムコ多糖類の類似物質であるsodium pentosan polysulfate(以下SPP)を投与し、イメージングプレート法を用いた^<14>C_-標識蓚酸の腎オートラジオグラムを作成することにより、それらの蓚酸カルシウム発症に対する抑制効果を詳細に検討した。ビタミンB6欠乏食飼育開始時よりクエン酸またはSPPを投与した過蓚酸尿症ラットでは、対照群に比し^<14>C_-標識蓚酸の集積像の大きさおよび数は有意に減少した。また、ビタミンB6欠乏食飼育開始2週間後よりSPPを投与した群においても、形成された集積像の大きさは対照群に比し有意に小さかった。 以上より、尿路における蓚酸カルシウム結石の発症は、腎髄質とくに乳頭部の集合管上皮細胞内およびその周囲の間質に、まず蓚酸カルシウム結晶の沈着が起こり、その結晶が成長して結石に至るものと推測された。さらにクエン酸ならびにSPPの投与は、蓚酸カルシウム結石発症を予防する可能性のあることが強く示唆され、またSPPに関しては、予防のみならず、すでに形成された蓚酸カルシウム結晶の成長をも抑制すると考えられた。
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