研究課題/領域番号 |
06671631
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
矢野 哲 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (90251264)
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研究分担者 |
三島 みさ子 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30262017)
相良 洋子 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60205789)
中澤 直子 東京大学, 医学部(病), 助手
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ペプタイドアナログ / ソマトスタチン / 子宮内膜癌 / 卵胞閉鎖 / アポトーシス / LHRH / ヌードマウス / ペプタイド アナログ |
研究概要 |
本研究では、各種ペプチドアナログの臨床応用の可能性を追求するために、(1)ヒト上皮性卵巣癌、子宮内膜癌に対するLHRH、somalostatinアナログの抗腫瘍効果とそのメカニズムおよび(2)LHRHアナログによる卵胞発育調節機構について検討した。特に、(2)の解明は不妊症治療に理論的根拠を与えるものと考えられる。 OV-1063、HTOA上皮性卵巣癌細胞株にLHRHの高親和性結合部位あるいは受容体mRNAの発現が認められた。エストロゲン非依存性のHEC-1子宮内膜癌細胞株にsomalostatinの高親和性結合部位および受容体mRNAの発現が認められた。in vitroの細胞増殖能およびヌードマウスに継代移植された腫瘍の体積増加はそれぞれのアナログにより抑制された。また、epidermal growth factor(EGF)による細胞増殖促進効果およびEGF受容体のリン酸化反応も抑制された。しかしながら、アナログによるアポトーシスの誘導はHTOAでは認められHEC-1ではみられなかった。 ラット顆粒膜細胞培養系において、LHRHアナログは細胞増殖能を抑制しアポトーシスを誘導した。estrogenで前処理した下垂体摘除幼若ラットの卵巣顆粒膜細胞層に、LHRHおよびその受容体のmRNAの発現がin situ hybridization法により確認された。このラットにLHRHアゴニストを東予すると、卵巣における閉鎖卵胞の出現率が高まり、この効果はFSHの投与により抑制された。一方、LHRHアンタゴニストを単独投与すると閉鎖卵胞の出現率が低下した。これらの効果は、二次卵胞および径200μm以下の三次卵胞において有意に認められた。すなわち、内因性のLHRHは比較的未熟な卵胞においてアポトーシスの機序により卵胞閉鎖を誘導しており、これが卵胞の選択をもたらすのではないかと考えられた。
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