研究課題/領域番号 |
06671653
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山崎 峰夫 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (00220301)
|
研究分担者 |
房 正規 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (40243315)
森川 肇 神戸大学, 医学部, 助教授 (30030894)
望月 眞人 神戸大学, 医学部, 教授 (80030922)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 一酸化窒素(NO) / 一酸化窒素合成酵素(NOS) / 妊娠中毒症 / クレアチニンクリアランス |
研究概要 |
正常妊婦の随時尿中NO3濃度/クレアチニン(Cr)比を測定すると、妊娠の経過につれて増加する傾向が認められた。また、早朝一定量の飲水後2時間でのCrクリアランスとその間の尿中NO代謝物排泄量との間には有意ではないものの正の相関があった。しかし、同時に測定した尿中cGMP排泄量とNO代謝物排泄量との間には特に相関はなく、妊婦腎糸球体機能にNOが関わる可能性が示唆されたものの、NO動態をその2ndメッセンジャーであるcGMPとの関連において明らかにはできなかった、次に正常妊娠と妊娠中毒症重症例それぞれの胎盤より蛋白を抽出し、ウェスタンブロット法でNO合成酵素(NOS)の発現態度を、ヒトeNOS、ヒトbNOSおよびマウスiNOSの蛋白質フラグメントをそれぞれ抗原とするモノクローナル抗体(抗マウスiNOS抗体はヒトiNOSと交叉反応する)を用いて検討した。その結果、1)正常妊娠胎盤および妊娠中毒症胎盤のいずれにもeNOSのバンドが検出された。しかし、一部の中毒症症例でわずかに発現の弱い傾向が得られた。2)正常妊娠胎盤、妊娠中毒症胎盤のいずれにもbNOSのバンドは検出されなかった。3)正常妊娠、妊娠中毒症それぞれ一例ずつの胎盤においてiNOSの微弱なバンドが検出された。ヒト末期胎盤においてはeNOSが強く発現していることが少なくとも蛋白レベルで確認されたが、正常妊娠と妊娠中毒症との差異は明確とはならなかった。ただ、一部の妊娠中毒症症例においてeNOS蛋白の発現が弱かったことは、妊娠中毒症症例の臍帯血管においてはNO産生能が障害されているとの研究成績報告と矛盾しないものであり、興味深い。iNOSについての成績は、ヒト胎盤においても基礎産生以外に何らかの刺激によりinduceされたNOSによってもNOが産生される可能性を示唆する。
|