研究課題/領域番号 |
06671671
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
寒河江 悟 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00187056)
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研究分担者 |
小泉 基生 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50244348)
佐藤 昇志 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50158937)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 卵巣癌 / 癌化 / 浸潤・転移 / 熱ショック蛋白 / p53蛋白 / Rb蛋白 / 腫瘍抗原 / 宿主免疫応答 |
研究概要 |
これまでの研究で、我々はRbやp53の変異蛋白が卵巣癌細胞株の細胞内でHeat shock protein(HSP:熱ショック蛋白)と会合することを相次いで発表し、ヒト細胞内でも発癌に関与していることを示した。本研究では、ヒト卵巣癌組織におけるHSPとp53やRb蛋白の発現を免疫組織化学的に検討したところ、p53蛋白の発現は癌の進展に関与し、Rb蛋白やその燐酸化に関与する酵素cdc2の発現からは癌化の初期段階での関与が示唆された(94、95癌学会報告)。さらに我々はhsp蛋白のなかでも坑hsp73抗体を作製し(HYBRIDOMA13:373,1994)、卵巣腫瘍でのhsp73の検討では、正常卵巣0%、良性腫瘍36%、境界悪性では77%、悪性腫瘍では早期癌で68%・進行癌で65%認められた。またRh蛋白でも同様に境界悪性症例でpeakを示した。一方p53蛋白の発現は癌化や癌の進行により頻度を増した。また予後との関連では、p53のみは陽性症例が有意に予後不良であった(AACR95)。 また、hspは細胞の癌化で発現増量し、細胞表面にも発現することから、宿主免疫応答の成立に重要な蛋白質である。我々はラット胎児由来線維芽細胞WFBを活性型H-rasで形質転換させて得られた線維肉腫W31の細胞表面に発現する抗原がhsc73であることを発見し、W31と同系のT細胞を用いて宿主免疫応答の有無を検討したところ、そのCD4-CD8-DNT細胞の細胞障害性はhsc73をリガンドとして腫瘍細胞由来のペプチドとの複合体を認識しており、ヒト卵巣癌細胞株でも同様の免疫反応の存在が示唆された(日産婦95)。さらに細胞内ペプチドの解析を胎児細胞とW31腫瘍細胞の抽出抗原で比較したところ、W31由来ペプチドが選択的にhsc73抗体で細胞障害性が阻止され、蛋白融解剤でこの反応が阻止されたことからペプチドの確認ができた。
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