研究課題/領域番号 |
06671696
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
大槻 勝紀 大阪医科大学, 医学部, 教授 (50140166)
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研究分担者 |
辻本 賀英 大阪大学, 医学部, 教授 (70132735)
赤尾 幸博 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (00222505)
杉本 修 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00084822)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | アポトーシス / 子宮内膜 / bcl-2 / ER / PgR / 月経 / bcl-2蛋白 / IL-7存在性B細胞株 / TUNEL法 / 免疫電顕 / ウエスタン・ブロット / ホルモンリセプター |
研究概要 |
従来、月経の発来機序は子宮ラセン動脈のレン縮により子宮内膜がanoxiaに陥り、その結果、子宮内膜の剥脱壊死によると考えられてきた。しかし、われわれは性成熟婦人に月経として炎症を伴う壊死が起こるとは考え難く、むしろ次回の妊娠成立のための子宮内膜のreplacementすなわち生理学的に意味のある細胞死として月経を考えている。そこで良性疾患で得られたヒト子宮内膜について、ER、PgR、bcl-2蛋白の発現を免疫組織化学、Western blotや免疫電顕により子宮内膜の細胞死について検討を加えた。bcl-2蛋白はERと同様、増殖期にピークを示すcyclicな発現が認められた。bcl-2蛋白の発現が認められなくなる分泌期初期より子宮内膜にはアポトーシスに陥った細胞が出現し、時には子宮腔内にapoptotic bodyが観察された。また多くのアポトーシス細胞は形態的に正常な隣接の内膜線上皮細胞に取り込まれ、phagocytosisにより処理されていた。しかしながらマクロファージによるアポトーシス細胞の処理像はほとんど見られなかった。さらに月経直前になると、postapoptotic necrosis様の変性した細胞が増加した。DNAの断片化に注目すると、増殖期後期にはヘテロクロマチンの増加に伴って、DNAの断片化により生じるfree3′-OH DNA endsの増加が認められ、その頻度はapoptotic bodyにおいて最大であった。以上の結果から月経発来機序には子宮内膜のアポトーシスによる細胞死が関与すること。またbcl-2蛋白の発現はERなどのホルモン・リセプターによりregulateされていること。最後にアポトーシスの形態変化に先行してDNAの断片化が生じることを明らかにした。
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