研究課題/領域番号 |
06671706
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大柿 徹 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20251522)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 上丘 / バイオサイチン / サッケード / 注視機能 |
研究概要 |
ネコの上丘にdextran biocytinを微量注入しサッケード機能に関与する上丘ニューロンの投射様式を解析した結果、以下の事項が明かとなった。 1、上丘ニューロンは垂直性急速眼球運動(サッケード)の中枢である中脳視蓋前域(主にfield of Forel)には同側性に、水平性の中枢である傍正中部橋網様体(PPRF)には対側性に強く投射しており、これらの部位に存在するバーストニューロンに直接投射し、サッケード発現に関与している事が示唆された。 2、この他の脳幹網様体においても、中脳から延髄までの広い範囲で両側性に投射が認められた。これらは網様体-脊髄路ニューロンに投射し上丘-網様体-脊髄路を形成し、サッケード発現時の頚の協調運動に関与するものと考えられた。 3、上丘から頚髄への対側性の直接投射も認められたが投射は弱く、上丘-脊髄路は主に網様体ニューロンを介すると考えられた。 4、水平性、垂直性の視運動性眼振の一次中枢である視索核、副視索核に主に同側性の投射が強く認められた。これらの核は視運動性眼振の緩徐相の発現に関与しており、上丘ニューロンは抑制的にこれらの核に投射し、サッケード発現時、視運動性眼振の発現を抑制するのではないかと推察された。 5、滑動性眼球運動の中枢である橋核、橋被蓋網様体核、下オリーブ核にも投射が認めらた。サッケードと滑動性眼球運動は相反する眼球運動機能であり、この投射経路はサッケード発現時に滑動性眼球運動の中枢経路を抑制するように働くのではないかと考えられた。 6、下丘への投射も認められた。これは音刺激による音源方向へのサッケードの発現に関与するものと考えられた。
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